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馬 · 馬の品種

シャイヤーの特徴と飼育|大きな体を支える住まいと手入れ

高い体高に広い胸、脚の下部を覆う長い毛。シャイヤーは、ひと目でその力強さが伝わるイギリスの大型馬です。農場や街で重い荷物を運んできた歴史を持ち、荷車などを引くために育てられた重種馬に分類されます。

一緒に暮らすには、その大きさを受け止められる環境が必要です。馬房や道具が体に合っているか、蹄の手入れを任せられる専門家がいるかを、迎える前に確かめておきたいところです。脚の長い毛に隠れた皮膚まで見られるよう、毎日の手入れにも時間を取る必要があります。

エイボン・バレー・カントリー・パークの草地にいる黒いシャイヤー
体の大きさに合う環境
大型馬には十分な広さと、その馬の体に合う道具が必要です。
毎日の扱い
引き馬、立って待つこと、脚を上げることを、丁寧に教えていきます。
脚の手入れ
長い毛に隠れた皮膚の変化を見逃さないよう、毛を分けて確認することが大切です。

重い荷物を運んできたイギリスの馬

シャイヤーは、イングランド中部や東部のフェンランド地方などで、農作業や物資の運搬を担ってきました。工業製品を積んだ荷車や醸造所の配送馬車を引く姿でも知られています。重い荷物を歩いて運び続ける力と、人の合図に応じて働くことが求められてきた馬です。

現在は馬車を引く活動や実演、乗馬などで見かけます。馬車に挑戦するなら、まずは十分に調教された馬と専門家のもとで学ぶのがよいでしょう。馬具のうち、馬と車両をつないで荷を引くための装具をハーネスと呼びます。ハーネスと車両は、その馬の体と予定している仕事に合うものを選びます。経験の浅い馬には少しずつ慣れてもらい、引く動作や合図も段階的に教えます。見学では、それまでにどんな作業を学んだのかを確認するとよいでしょう。

体高だけでなく、胸や蹄も大きい

アメリカのシャイヤー協会が現在掲載している、1977年に採用された基準では、種牡馬の最低体高は16.2ハンドとされています。地面からき甲という首の付け根と背中の境にある高い部分までで、およそ168cmです。1ハンドは4インチで、16.2は16ハンドと2インチを表します。牝馬はそれよりやや小柄です。

広い肩と厚みのある体、大きな蹄もシャイヤーらしい特徴です。毛色には黒、鹿毛、褐色、芦毛などがあります。脚の下部に伸びる長い毛は飾り毛と呼ばれ、姿を引き立てる一方で、その下の皮膚の状態が見えにくくなります。

引き馬や脚を上げる練習を丁寧に

体が大きいからこそ、日常の扱いで人と馬の意思が伝わることが大切です。引き馬や蹄の手入れでは合図を分かりやすくそろえ、落ち着いて立てたらすぐに褒めるとよいでしょう。最初は短い時間から始め、場所が変わっても待てるよう少しずつ練習を重ねます。

蹄を持ち上げる練習では、滑りにくい足場で、馬が無理なくバランスを保てる姿勢を取る必要があります。初めは短時間にとどめ、嫌がって脚を引くときには、痛みや体の支えにくさがないかも確認したいところです。単に言うことを聞かないと決めつけると、困っている理由を見落としてしまいます。

運動の内容や量は、健康状態と体力に合わせて考えます。しばらく休んでいた馬なら、指導者と相談しながら徐々に運動を再開するのがよいでしょう。

広さと安全な出入りを確かめる

馬房や門、休む場所には、大きな体をぶつけずに向きを変えたり、横になったり、立ち上がったりできる広さが必要です。毎日自由に動ける時間を設け、相性の合う馬と過ごせる環境も整えたいところです。群れで飼う場合は、餌場や通路に余裕があるかも確認します。

輸送車は、馬の実際の体高や体幅、体重を踏まえて選ぶ必要があります。車内に入れるだけでなく、車両に許される積載重量の範囲に収まるかも重要です。手入れの場所には、人や専門家が周りで安全に作業できる余裕が求められます。預託先や蹄の専門家には、大型馬を受け入れられるかと費用を事前に相談しておきましょう。

大きな体に、大量の穀物が必要とは限らない

食事の基本は、乾草や牧草などの繊維が多い飼料です。必要なエネルギーは、体の大きさに加えて、実際の運動量や体の状態で変わります。大きな馬だからという理由だけで、穀物の多い高エネルギーの餌を増やすと、太りすぎにつながるおそれがあります。

体重や脂肪のつき方を定期的に確認し、必要に応じて獣医師や馬の栄養に詳しい専門家と食事を調整するとよいでしょう。利用できるなら、馬用の体重計も役立ちます。ビタミンやミネラルの不足にも気を配り、いつでも清潔な水を飲めるようにします。餌を切り替えるときは、急に全量を変えず徐々に慣らすことが大切です。

長い毛の下にある皮膚と蹄の健康

シャイヤーで知っておきたい病気の一つが、慢性進行性リンパ浮腫です。英語名の頭文字からCPLとも呼ばれます。脚の下部で組織の中の水分が十分に流れ戻らなくなり、腫れや皮膚の厚みが生じ、進行すると深いしわやしこりができることがあります。長い飾り毛に隠れ、初めの変化を見逃しやすい点に注意が必要です。

手入れの際には毛を分けて皮膚を見たり、優しく触れたりして、普段との違いを確かめるとよいでしょう。新たな腫れや皮膚の変化があれば、獣医師に相談する必要があります。CPLは原因が十分に解明されておらず、現在のところ根治できる治療はありません。獣医師と相談しながら、長く手入れや治療を続けていく病気です。

蹄は毎日確認し、汚れを取り除きます。伸びた蹄を整える削蹄や、必要に応じた装蹄は専門家に任せ、乾いて清潔な足場を用意したいところです。迎える前に、シャイヤーのような大型馬の蹄を継続して見てもらえるか確認しておくと安心です。

迎える前に、いつもの世話まで見せてもらう

見学では、放牧地で近づいてつかまえる場面や、引き馬、ブラシをかける様子も見せてもらうと、日常の扱いを具体的に想像できます。乗馬や馬車に使いたい場合は、その馬が何をどこまで習っているかを確認する必要があります。購入前には独立した立場の獣医師による診察を受け、脚の皮膚にこれまでどんな問題があったかも相談するとよいでしょう。

飼う費用には、預託料や飼料だけでなく、体に合う道具、蹄の手入れ、診療費も含まれます。長い毛を手入れする時間や、世話を代わってもらえる人も必要です。馬選びツールや費用計算ツールで整理しながら、実際に頼む施設や専門家の見積もりを確かめておきましょう。

よくある質問

シャイヤーは初心者でも飼えますか?

落ち着いていて経験豊富な馬でも、大きな体を安全に扱う技術は必要です。初心者に向くかは品種名だけでは分からないため、指導者と一緒に、引き馬や脚を上げる場面を確かめるとよいでしょう。日常的に経験者の助けを得られる環境も大切です。

出典・写真クレジット

写真の出典

写真: Avon Valley Country Park Shires.JPG · Rodw · CC0. 画像を縮小してWebP形式に変換しました。写っている内容は変わっていません。

写真: 2018-04-20 Shire Horse, Northrepps, Cromer.JPG · Kolforn (Wikimedia) · CC BY-SA 4.0. 画像を縮小してWebP形式に変換しました。写っている内容は変わっていません。

写真: Best Shire (37510534046).jpg · Stacie C Lynch Photography / Keystone International · CC BY 2.0. 画像を縮小してWebP形式に変換しました。写っている内容は変わっていません。

写真: New shoes.jpg · Tam · CC BY-SA 2.0. 画像を縮小してWebP形式に変換しました。写っている内容は変わっていません。

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