ブラシを手に取る前から観察する
少し離れたところから、馬の反応、立ち方、動き方が普段と同じか見てみましょう。迎えに行って連れてくるときには、馬が進んでついてくるか、特定の脚に体重をかけるのを避けていないかも確認できます。いつもと違う行動が1つ見られても、それだけで原因はわかりません。新たな変化は世話の責任者に伝え、体調不良や痛みを示す様子があれば獣医師に相談してください。複数の変化が重なると、診察の手がかりが増えることもあります。
餌と飲み水の確認も、毎日の世話に含まれます。何をどれだけ与えたかがわかれば、食べ残しを判断しやすくなります。ただし、複数の馬が一緒にいる場合、餌場が空でも、どの馬が食べたかはわかりません。給餌時に、それぞれの馬が実際に食べているか見ておきましょう。世話を交代する人には、朝の餌を出したときに普段どう反応するかなど、具体的な習慣を伝えると役立ちます。
被毛と皮膚をやさしく手入れする
ブラッシングは、体を少しずつ見て、やさしく触れて変化を確かめる機会です。清潔で馬に合ったブラシを使い、馬が落ち着いて立てる場所と進め方を選びましょう。鞍や、鞍を胴に固定する腹帯が当たる部分の汚れは、馬具を着ける前に落としておくと、こすれを防ぐのに役立ちます。毛が固まった部分や小さな傷は、強くブラシをかける前によく確認してください。
触れたときに急に敏感な反応を示したら、どこに触れたのか、皮膚に見た目の変化はあるか、馬具を着けていないときも同じ反応があるかを記録すると役立ちます。馬が身を引くなら、その部分にはいったん触れず、原因を確かめましょう。普段から手入れをしていると、その馬にとっていつもどおりの状態と比べやすくなります。
蹄を確認し、専門家による手入れも続ける
蹄の裏を掃除するときは、挟まった石、蹄底や蹄叉の変化、いつもと違うにおいを確認できます。蹄叉は、蹄の裏にある、くさび形の弾力のある部分です。安全に脚を持ち上げて蹄を掃除する方法をまだ習得していない場合は、経験のある専門家に自分の馬で教わるとよいでしょう。馬が落ち着いて立てる、滑りにくい場所だと作業しやすくなります。
脚を見比べ、新たな腫れや熱っぽさ、体重のかけ方の変化があれば、世話の責任者や担当の専門家に伝えてください。痛みを伴う明らかな跛行(脚をかばうような歩き方)は、速やかに獣医師に診てもらう必要があります。蹄鉄を着けていない馬にも、専門家による定期的な蹄の手入れが必要です。手入れの間隔は蹄の伸び方、運動や作業の内容、蹄の状態によって変わるため、担当する専門家と相談して決めましょう。
運動後の体の状態と、日々の飼育環境を確認する
運動後は、鞍や腹帯、脚部保護具(馬の脚を守るために着けるもの)が当たっていた部分を見ておきましょう。こすれや圧迫の跡、いつもと違う敏感さがあれば、馬具が体に合い、正しく使われているか確認してください。同じ問題が繰り返される場合は、日付入りの写真と使用した馬具の記録があると、担当の専門家が、いつ、どのような条件で起きるかを把握しやすくなります。
運動していない時間を過ごす環境にも目を向けましょう。休む場所が濡れたり汚れたりしていないか、飲み水に近づけるか、馬着(馬の体に掛ける覆い)がずれていないかを見て、問題があれば直すか世話の責任者に伝えてください。馬着は、その馬の必要性と天候に合うものを選び、体への合い具合と馬着の下の皮膚を定期的に確認しましょう。天候が変わったときに誰が馬着の変更を決めるかも、あらかじめ話し合っておくと、複数の人が別々に判断して食い違うのを防げます。
すぐに獣医師へ連絡すべきとき
疝痛は馬の腹痛を指し、原因はさまざまです。何度も前脚で地面をかく、脇腹を振り返って見る、普段と違う汗をかく、繰り返し横になったり転がったりする、食べる量が減る、糞が少なくなるといった様子は、疝痛の兆候かもしれません。こうした様子があれば、すぐに馬を診られる獣医師か、救急対応をしている動物病院に連絡してください。普段より静かで反応が鈍い馬も、重い病気の可能性があります。
連絡するときには、いつ変化が始まったか、何を観察したか、最後に餌を与えた時刻、わかっている病歴を伝えてください。診察までに何をすべきかは、電話で獣医療チームの指示を受けましょう。厩舎の住所、連絡のつく責任者、馬の輸送手段をすぐ確認できるようにしておくと、対応の遅れを防げます。治療後の引き継ぎには、獣医師から実際に受けた指示と、その指示を誰が実行するかを明記してください。
よくある質問
馬は毎日、全身をしっかりブラッシングする必要がありますか?
どのくらい丁寧にブラッシングするかは、被毛や飼育環境、普段どんな活動をしているかによって変わります。毎日の状態確認は欠かさず、手入れにかける時間や範囲は、その馬の必要に合わせるとよいでしょう。騎乗前には、特に馬具が当たる部分の汚れを落としておきましょう。
小さな変化は、どのように記録すると役立ちますか?
日付入りの写真、変化がある体の正確な場所、行動についての短いメモが役立ちます。写真を比べるときは、なるべく同じ距離から撮ると変化がわかりやすくなります。体調不良や痛みがある場合、記録は診察の代わりにはなりません。
出典・写真クレジット
- Where to keep your horseBritish Horse Society運動後の体の状態と、日々の飼育環境を確認する
- Owning a horseBritish Horse Societyブラシを手に取る前から観察する · 被毛と皮膚をやさしく手入れする
- Colic in horsesBritish Horse Societyすぐに獣医師へ連絡すべきとき
- Essential care for your horse’s hoovesBritish Horse Society蹄を確認し、専門家による手入れも続ける
- Preventing colic in horsesBritish Horse Societyブラシを手に取る前から観察する
- Stage 1 Care syllabusBritish Horse Society被毛と皮膚をやさしく手入れする
- Types of rugs and rugging a horseBritish Horse Society運動後の体の状態と、日々の飼育環境を確認する
写真の出典
写真: Horse grooming · Phil Sangwell · CC BY 2.0. 画像を縮小してWebP形式に変換しました。写っている内容は変わっていません。



