牧羊犬
シャペンドース
シャペンドース(Schapendoes)は、軽やかな体つきと、ゆるく波打つ長い毛を持つオランダの牧羊犬です。散歩や遊び、一緒に学ぶ時間を楽しむ犬も多くいます。その活発さに付き合いながら、落ち着いた教え方と丁寧な被毛の手入れを続けられる人に向いています。
基本情報
- 大きさ
- 中型
- 体高
- 40~50 cm
- 運動量
- 多め
- お手入れ
- 週に数回
- トレーニング
- 根気強く、わかりやすく導く
- 飼育経験
- サポートを受けながら初めて飼う
活発でよく気づき、一緒に動くことを楽しむ犬
シャペンドースに似た犬たちは、かつてオランダで羊の群れに付き添って働いていました。求められたのは持久力、身軽さ、自分で判断する力です。第二次世界大戦中には数が大きく減り、戦後に犬種を立て直す取り組みが進められました。犬種クラブは1947年に設立され、1971年に正式承認を受けています。この歴史は、身軽さと自分で考えて働く性質を理解する助けになります。ただし、今の犬たちが皆まったく同じ行動を取るわけではありません。
動きや音にすばやく反応する犬もいます。遊び場のそばや自転車が通る場面では、飼い主の近くにとどまり、相手を通すことを早くから練習すると役立ちます。まずは静かな場所で、十分な距離を取るとよいでしょう。飼い主を見る、落ち着いて待つといった行動を褒めながら、少しずつ難しい場面へ進める方法があります。
長い前髪を見ると、いつでも抱きしめられる穏やかな犬を想像するかもしれません。人懐こい犬にも、休む時間と離れられる場所は必要です。子どもと遊ぶときは大人が見守り、毛を引っ張ったり犬の上に寝そべったりしないよう教えることが大切です。ほかの動物と会わせる際も、社交的な犬種なら誰とでも仲良くできると期待するより、その犬の経験を確かめ、落ち着いた初対面を準備するとよいでしょう。

日々の暮らし
健康な成犬なら、変化のあるコースや一緒に取り組む課題を楽しめます。簡単な探し物遊びとして、犬が無理なく近づける倒木の後ろにいつものおもちゃを隠す方法があります。見つけたら短く一緒に遊ぶことがご褒美になります。別の日には、ベンチに座る飼い主のそばで落ち着いて待つ練習もできます。体を動かすだけでなく、一緒にくつろぐことも学べます。
ドッグスポーツも選択肢の一つです。アジリティーは障害物のコースを進む競技で、嗅覚を使うトレーニングでは特定の匂いを探すことを教えます。教室は年齢、健康状態、これまでの経験に合うものを選ぶとよいでしょう。もともと身軽な犬種でも、若いうちから高いジャンプをさせる理由にはなりません。ボールを何度も投げることだけが、毎日の活動にならないようにすることも大切です。
家族と過ごすことが好きな犬には、留守番にも準備が必要です。短く穏やかに離れられる練習から始めるとよいでしょう。長く吠え続ける、落ち着かず歩き回るといった様子があれば、まだその過ごし方が合っていないサインです。預け先にも、どうすれば犬が落ち着きやすいかを知っておいてもらうと安心です。長期の預かり前には、普段の散歩道や合図、手入れの仕方を一緒に確かめると役立ちます。
留守番について
犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

毎日のお世話
シャペンドースの被毛は細く長い上毛と、その下の密な下毛からできています。下毛は皮膚の近くに生える短い層です。毛先だけをブラッシングするのではなく、小さな層に分けて皮膚の近くまで梳く必要があります。優しくブラシをかけたあと、目の粗いコーム(くし)を通すと残ったもつれを見つけやすくなります。下毛にも手入れは必要ですが、むやみに引き抜くものではありません。
特にもつれやすいのは耳の後ろ、脇、後ろ脚の周りです。成犬の毛に変わる時期は、手入れの負担が大きく増える場合があります。詳しいブリーダーやトリマーに、痛く引っ張らずに梳く方法を見せてもらうとよいでしょう。小さく緩いもつれなら、指でほぐせることもあります。固い毛玉、赤み、痛みがある場合は専門家の助けが必要です。
毛で視界が隠れたり、目に毛が擦れたりしないよう確認することが大切です。適したもので緩く束ねるか、手入れで整える方法があります。束ねる際も、毛や皮膚が引っ張られないことが重要です。目のそばを切る作業は、技術のある人に任せると安心です。散歩のあとは枝や汚れを取り、足先やお尻の周りも清潔に保つとよいでしょう。犬用歯磨き剤での歯磨きと爪の確認も必要です。耳の臭いがいつもと違う、頻繁に頭を振るときは獣医師への相談が目安になります。耳の穴の毛を抜くことは、専門家が必要と判断した場合に限るのがよいでしょう。

大きさと成長、年齢に合わせた暮らし
各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟(FCI)の犬種標準では、オスの体高は43から50cm、メスは40から47cmです。体高は犬が立った状態で、地面から肩の上の最も高い部分までを測ります。標準には体重の範囲は定められていません。食事量は体つき、活動量、健康状態に合わせて考える必要があります。長い毛で体形が見えにくいため、手を優しく当てて確かめる方法も役立ちます。
子犬の手入れは、短く気持ちよく終えられる経験から始めるとよいでしょう。毛の一部に触れ、落ち着いて付き合えたら褒めて一息入れる、という方法です。慣れるにつれて確認する範囲を増やせます。毛玉ができてから急に長い手入れを始めるより、こうして覚えてもらうほうが、後の丁寧なケアにもつながります。
犬に合う指導をする教室では、呼び戻しやリードでの歩き方、日常の動作を学べます。呼び戻しとは、決めた合図で飼い主のところへ戻ることです。気になるものがあっても確実に戻れるようになるまでは、安全に囲われた場所や適したロングリードを使うとよいでしょう。ロングリードは行動できる範囲を広げながらつないでおく長いリードです。高齢になった犬には、短い外出や簡単に届く場所での探し物遊びが、一緒に楽しむ時間を続ける助けになります。
健康
子犬を迎える前には、両親の目の検査と適切な遺伝子検査の結果を確認するとよいでしょう。オランダの犬種クラブの繁殖規則には、眼科を専門とする獣医師の検査と、この犬種のgPRAに対するDNA検査が含まれます。DNA検査は特定の遺伝子変異を調べるものです。gPRAは全般性進行性網膜萎縮の略で、目の内側で光を感じる網膜が徐々に衰え、視力を失うことがある病気です。遺伝子検査でわかるのは特定の原因についてなので、目全体の検査に代わるものではありません。
若い犬の心臓の検査も大切です。犬種クラブは動脈管開存症、略してPDAについても情報を提供しています。動脈管は全身へ血液を送る大動脈と肺動脈をつなぐ血管で、通常は生まれたあとに閉じます。閉じずに残ると、心臓に余分な負担がかかる場合があります。子犬が元気そうでも、心雑音があれば原因を調べることが重要です。
成長後も、持久力の変化や呼吸の問題があれば獣医師の診察が必要です。突然強い呼吸困難が起きたときは緊急です。目が赤くなる、涙が多い、痛そうに閉じている場合も、速やかに獣医師へ相談することが大切です。Fellfolioには検査結果や体重、普段と違う様子を記録できます。「最近、暗い地下室への階段でためらうようになった」といった具体的な気づきは、原因を調べる際の手がかりになります。
この品種はあなたの暮らしに合いそう?
こんな場合に合う可能性があります…
- 身軽な犬と散歩や探し物遊びを楽しみ、暮らしに役立つ練習をしたい。
- 丁寧な被毛の手入れができ、成犬の毛が育つ時期には確認の回数を増やせる。
- 初めての犬として迎えるにあたり、必要なことをよく準備し、適した助けを得られる。
こんな場合は合わない可能性があります…
- 自転車や走る動物の近くで犬の安全を確保することが難しく、しつけにもあまり時間をかけたくない。
- 子どもとの関わりを十分に見守れず、日々の細かな働きかけをあまり必要としない犬を求めている。
- 長い毛を皮膚の近くまで丁寧に手入れし、もつれや皮膚の変化を確認する時間が少ない。
ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。
大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。
フランス生まれの鳥猟犬
ブリタニー・スパニエル
ブリタニー・スパニエルは、嗅覚に優れ、活発に動く、コンパクトなフランスの猟犬です。獲物を探し、見つけた場所で静止して位置を知らせ、撃ち落とされた獲物を持ち帰ります。家族の伴侶として迎えるなら、人懐こさや人との近さだけでなく、狩猟本能にも目を向けることが大切です。
隠れた鳥を探して飛び立たせる猟犬
フィールド・スパニエル
フィールド・スパニエルは、外ではにおいを追うことを楽しみ、家では人のそばで過ごす、活発で繊細な犬です。長く絹のような毛を持ち、猟犬としての持久力も備えています。変化のある運動や一緒の活動を楽しみながら、優しく教えていける家庭に向いています。
フィンランドで鳥猟に使われていた犬
フィニッシュ・スピッツ
赤みのある金色の被毛、尖った耳、背中に巻いた尾が目を引く犬です。吠え声にも、この犬種の歴史が表れています。狩りでは木に止まった鳥の居場所を吠えて知らせていました。迎える際には、運動の時間、鳥や小動物を追う行動、近隣に聞こえる声まで含めて暮らしを考えることが大切です。
出典と写真クレジット
- Teaching your dog to be left alone
このプロフィールでの参照箇所: 留守番について
- Exercising Your Puppy
このプロフィールでの参照箇所: 大きさと成長、年齢に合わせた暮らし
- Training Your Dog to Be Left Alone
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Understanding Your Dog’s Behaviour
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Children and Dogs
このプロフィールでの参照箇所: 気質, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Caring for Your Dog’s Teeth
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Train Your Dog to Come When Called
このプロフィールでの参照箇所: 大きさと成長、年齢に合わせた暮らし
- Verenigingsfokreglement: Nederlandse Schapendoes
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Nederlandse Schapendoes
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 大きさと成長、年齢に合わせた暮らし, 健康, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Nieuwsbrief PDA: Cardioscreening Schapendoes
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- FCI Standard 313: Dutch Schapendoes
このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 大きさと成長、年齢に合わせた暮らし
写真の出典
正面 · Schapendoes3.jpg · Lo Wendel (Lovisa) · CC BY 2.0 · 編集済み
横向き · Schapendoes-grey&brown.jpg · Canarian · CC BY-SA 4.0 · 編集済み
日常の様子 · Schapendoes5.jpg · Lo Wendel (Lovisa) · CC BY 2.0 · 編集済み
毛並みと特徴 · Schapendoes6.jpg · Lo Wendel (Lovisa) · CC BY 2.0 · 編集済み



