ハンガリーの牧羊犬
ムーディー
ムーディーは、立ち耳と波打つ被毛を持つ、身軽なハンガリーの牧羊犬です。周囲の動きに素早く反応し、人と一緒に学んだり活動したりすることを好みます。大きすぎない体と比較的整えやすい被毛は魅力ですが、迎えるなら、運動や練習の時間を十分に取れるか考えておきたいところです。来客や走るものに興奮しすぎず、家で落ち着いて過ごすための練習も役立ちます。
基本情報
- 大きさ
- 中型
- 体高
- 38~47 cm
- 寿命
- 12~14年
- 運動量
- かなり多め
- お手入れ
- 毎週
- トレーニング
- 頭と体を使う本格的な活動
- 飼育経験
- 飼育経験があると安心
人と協力して働く、周囲の動きに敏感な牧羊犬
ムーディーは、羊や牛を追い、群れを動かす仕事をしてきました。動きの変化にすぐ気づき、素早く対応する性質は、こうした仕事で役立ちます。家庭では、窓の外を通る人や玄関のチャイムに吠えることがあります。気になるものを落ち着いて眺められたときに褒めたり、玄関から離れた静かな休み場所を用意したりするとよいでしょう。
アメリカの犬種団体は、親しい人には友好的で遊び好きな一方、知らない人には慎重な犬と説明しています。初対面では、相手からすぐに手を伸ばすより、犬が様子を確かめる時間と距離を取るとよいでしょう。子犬の頃から、知らない場所や音、人との出会いを、怖がらない範囲で少しずつ経験させることも役立ちます。
走る子ども、自転車、そばを通る犬を追いかけようとすることがあります。群れの動きを追う牧羊犬の性質が、日常の動きにも向くためです。じっと見つめる、追いかける姿勢になるといった様子に大人が早めに気づき、距離を取って、よく知っている合図へ注意を向けるとよいでしょう。子どもとの時間は大人が見守り、ほかの動物にどう反応するかも、その犬を見ながら判断することが大切です。

日々の暮らし
毎日体を動かすことに加え、考えて取り組める遊びや練習が必要です。散歩中の呼び戻しや待つ練習、隠したおもちゃ探しなどを、無理なく日常に取り入れられます。自由に走らせるなら、安全な場所を選ぶことが大切です。リードを外す前には、犬がどのくらい離れるか、野生動物や速く動くものがあっても呼ばれたら確実に戻るかを確かめるとよいでしょう。
アメリカの犬種団体は、トンネルや障害物のあるコースを進むアジリティも、活動の選択肢に挙げています。跳ぶことから始めなくても、合図を待つ、手の動きについて歩くといった基礎を一緒に学べます。運動の内容と負担は、年齢や健康状態に合わせて、獣医師や指導者に相談するとよいでしょう。
よく動く犬にも、落ち着いて休む時間は必要です。飼い主が立ち上がるたびに次の遊びを期待するようなら、静かに過ごす練習も取り入れるとよいでしょう。集合住宅では、運動の機会だけでなく、吠え声への配慮も大切になります。窓の外を絶えず見張る環境を避け、留守番には短い時間から慣らし、長い不在時には世話を頼める人を用意するとよいでしょう。
留守番について
犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

毎日のお世話
頭と脚の前側は短く滑らかな毛で、体のほかの部分は波打つ毛や小さな巻き毛に覆われています。定期的なブラッシングで抜けた毛を取り、換毛期には回数を増やすと整えやすくなります。外出後には足先を確認し、首輪やハーネスの下に汚れや植物片が入り込んでいないか、皮膚が荒れていないかも見ておくとよいでしょう。
シャンプーは必要に応じて行い、犬用の製品を十分にすすぐことが大切です。爪が伸びすぎている場合は、切り方に慣れた人へ相談できます。歯の手入れは少しずつ慣らし、犬用歯磨き剤を使う毎日の歯磨きを目指すとよいでしょう。
足先の確認に慣らすなら、まず軽く触れて褒めるところから始められます。次に少し持ち上げ、慣れてから肉球を見る、というように段階を分けると取り組みやすくなります。顔を背ける、落ち着かなくなるときは、押さえつけるより、簡単な段階へ戻したり休憩したりすることが大切です。

犬種の歴史と体の特徴
ムーディーは、18世紀から19世紀のハンガリーで生まれたとされています。各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟FCIの標準では、ハンガリーの牧羊犬同士の交配が記され、立ち耳のドイツの牧羊犬も関わった可能性が示されています。初期の歴史には不明な部分もあります。立ち耳と、顔は滑らかで体は波打つ被毛が、同じハンガリーのプーリーやプーミーとは異なる特徴です。
体は高さよりやや長く、尾が長い犬も、生まれつき短い犬もいます。標準の毛色には黒、白、黄色みのある茶色のフォーン、茶色、灰色、マールがあります。マールは、明るい部分と暗い部分が不規則に入り交じる模様です。体高はオス41〜47cm、メス38〜44cmです。立った状態で、地面から肩の上の最も高い部分までを測ります。2023年のFCI標準には、体重の指定はありません。
健康
Mudi Club of Americaは、繁殖犬に股関節、肘、膝蓋骨、目の検査を勧めています。2025年からは、基本的な心臓の検査も加わりました。子犬を選ぶ際には、両親犬それぞれの記録を確認するとよいでしょう。股関節や肘の形成不全は、関節の発達に関わる異常で、痛みや関節炎につながることがあります。
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿が本来の溝から外れる状態です。後ろ脚を一瞬持ち上げたあと、何事もなかったように歩くこともあります。短時間で治まっても、獣医師に相談することが大切です。眼科検査では、遺伝性の病気を含む目の異常を調べられます。目の赤み、目を細める様子、見え方の変化がある場合は、早めの受診が必要です。
犬種団体は、任意の検査としてMDR1のDNA検査も挙げています。MDR1の特定の遺伝子の変化は、薬を体内で運ぶ仕組みに関わり、一部の薬が脳に強く作用して副作用を起こすことがあります。結果が分かっていれば、薬を使う前に獣医師へ伝えることが大切です。検査で分かるのは特定の遺伝子の変化で、どの薬を使えるかは獣医師の判断が必要です。アメリカン・ケネル・クラブの寿命の目安は12〜14年です。血縁のある犬の病歴と、その犬自身の健康状態も、今後の暮らしを考える参考になります。
この品種はあなたの暮らしに合いそう?
こんな場合に合う可能性があります…
- 活動的な犬と一緒に、定期的な練習を楽しみたい。
- 素早い反応や吠え声、初対面の相手との出会いに根気よく対応し、十分な休息も用意できる。
- 大きすぎない牧羊犬を求めていて、性格や記録のある健康検査の結果を確かめて選びたい。
こんな場合は合わない可能性があります…
- 走る子どもや速く動くものの近くで、犬を見守り、落ち着く手助けをすることが難しい。
- 静かな犬を求めていて、吠え声が暮らしの大きな問題になる。
- 毎日の運動や、一緒に何かを学ぶ時間をあまり取れない。
ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。
大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。
羊を誘導する牧羊犬
オーストラリアン・ケルピー
オーストラリアン・ケルピーは、羊を誘導する仕事のために育てられた犬です。反応が速く、持久力にも優れています。毎日外で体を動かし、犬と一緒に練習することを楽しめる人に向いているでしょう。
牧畜犬
オーストラリアン・キャトル・ドッグ
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、長距離にわたって牛を追うために作出されました。家庭で暮らす今も、動くものにすばやく反応することがあります。十分な運動に加え、走る子どもや自転車を落ち着いてやり過ごすよう教えてくれる飼い主が必要です。
牧羊犬
オーストラリアン・シェパード
オーストラリアン・シェパードは、アメリカ西部の牧場で家畜を追い、人と密接に働く犬として育てられました。家庭でも自転車や走る子どもの動きに注意を向けることがあります。距離を取って落ち着いて練習すると、そうした動きをやり過ごしやすくなります。
出典と写真クレジット
- Teaching your dog to be left alone
このプロフィールでの参照箇所: 留守番について
- Canine hip dysplasia (CHD)
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Patellar luxation
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Mudi
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 寿命, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Mudi Club of America breed introduction
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 犬種の歴史と体の特徴, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Mudi, FCI Standard No. 238
このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 毎日のお世話, 犬種の歴史と体の特徴, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Parent Club Health Statement 2025
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Dental disease in dogs
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Eye problems in dogs
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Grooming and bathing pets
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Teaching your dog to be left alone
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Separation-related behaviour
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Training your dog
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Multidrug Sensitivity (MDR1)
このプロフィールでの参照箇所: 健康
写真の出典
正面 · Stoic Mudi.jpg · Qwexcxewq · CC BY 4.0 · 編集済み
毛並みと特徴 · Gubby.jpg · Qwexcxewq · CC BY 4.0 · 編集済み
日常の様子 · Wet Mudi.jpg · Qwexcxewq · CC BY 4.0 · 編集済み
横向き · Mudi fawn.JPG · Lily15 · CC BY-SA 3.0 · 編集済み



