脚の長いイギリスの狩猟テリア
パーソン・ラッセル・テリア
小さな体に長い脚を持つパーソン・ラッセル・テリアは、活発に動くための体つきをしています。祖先はキツネ狩りに同行し、地下の巣穴でも働いていました。迎える際には、飼いやすそうな大きさだけでなく、好奇心、持久力、狩猟本能を考えることが大切です。一緒に出かけるのが好きで、呼んだら戻るように教え、安全な運動場所を用意し、家で落ち着く練習にも取り組める人に向いています。
基本情報
- 大きさ
- 小型
- 体高
- 33~36 cm
- 寿命
- 12年より長い
- 運動量
- 多め
- お手入れ
- 毎週
- トレーニング
- 根気強く、わかりやすく導く
- 飼育経験
- 飼育経験があると安心
長い脚で元気いっぱいに動くテリア
国際的な犬種標準では、大胆で友好的、活発で持久力のある犬とされています。動くものや気になるにおいに強く反応する犬も多く、道端で見つけたにおいに夢中になることがあります。その好奇心を楽しみつつ、安全に行動できるよう導いていくことが、このテリアとの暮らしでは大切です。
かつての狩猟の仕事は、追いかける、穴を掘る、狭い場所に入って調べるといった行動にも表れます。イギリスの犬種団体は、庭を安全に囲う必要性を挙げています。柵の下の隙間や、よじ登ったり飛び越えたりできる場所も確認するとよいでしょう。小型犬だからといって、簡単な囲いで十分とは限りません。
猫と穏やかに暮らすパーソンもいれば、猫を強く追いたがる犬もいます。迎える前に、その犬が猫やほかの動物とどのように過ごしてきたかを聞いておくと役立ちます。ウサギやモルモットなどの小動物とは、直接触れ合わないように分けて飼う必要があります。子どもとの遊びには大人が付き添い、犬が途中で休んだり、静かな場所へ離れたりできるようにしましょう。

日々の暮らし
歩く、においを嗅ぐ、一緒に探索する時間は、この犬の暮らしに欠かせません。体が小さくても、必要な活動まで少ないとは限らない犬種です。庭は役立ちますが、散歩や飼い主と過ごす時間の代わりにはなりません。
呼び戻しは、気が散りにくい静かな場所から練習するとよいでしょう。簡単な状況で確実に戻れるようになったら、少しずつ難しくしていきます。野生動物がいる場所や、まだ確実に戻れない場面では、リードが安全を支えます。ロングリードは、長さを使って犬に動く余地を与えられるリードです。練習中も犬を安全に管理できるように扱うことが大切です。鼻を使う探し物なら、使い慣れたおもちゃを初めは見える場所に置き、慣れてから簡単な場所へ隠していけます。
健康で体力のある犬なら、ドッグスポーツも楽しみの一つになります。例えばラリーオビディエンスは、座る、向きを変える、待つといった課題のある地点を回る競技です。年齢、健康、練習経験に合った内容を選びましょう。体を動かしながら、人の動きや合図に注意を向ける練習にもなります。
イギリスの動物保護団体RSPCAは、ごほうびを使った短い練習を定期的に行うことを勧めています。活発な課題だけでなく、ベッドで静かに過ごす練習も取り入れるとよいでしょう。留守番には段階的に慣らし、長い不在が続く場合は頼れる世話の手配を考えておく必要があります。出かけると長時間吠える、息を荒くする、行ったり来たりする場合は、不安の表れかもしれません。獣医師に相談し、必要に応じて適切な資格や経験のある行動の専門家にも協力してもらいましょう。
留守番について
犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

毎日のお世話
被毛には、短く滑らかなスムース、硬い毛のラフ、その中間で短い毛と硬い毛が混ざるブロークンがあります。どのタイプも毛が抜けます。イギリスの犬の登録団体ロイヤル・ケネル・クラブは、週1回のブラッシングを目安としています。ブラシの種類や追加の手入れは、その犬の被毛に合わせて選ぶ必要があります。
硬い被毛には、ハンドストリッピングが適する場合があります。抜ける時期を迎えた古い毛を、手や適切な道具で取り除く方法です。硬い毛の犬に慣れたトリマーに、必要かどうか、どのように行うかを相談するとよいでしょう。短くカットしている場合も、皮膚の確認や古い毛を取り除く手入れは必要です。
散歩のあとは、足先や被毛に汚れや異物が付いていないか確認できます。耳、爪、歯にも定期的な手入れが必要です。犬用歯磨き剤を使う歯磨きには少しずつ慣らし、できれば毎日の習慣にするとよいでしょう。食事量は活動量と体つきに合わせて調整します。小さな犬では、練習のごほうびを何度も与えると、それだけで一日の食事量のかなりの部分を占めることがあります。

犬種の歴史と体の特徴
この犬種は、イングランドの聖職者ジョン・ラッセルが育てた狩猟テリアに由来します。犬たちは狩りについて走り、キツネを地下の巣穴まで追う必要がありました。そのため、持久力、身軽さ、そして幅が広すぎない筋肉質な体が求められました。パーソンは、英語で聖職者を指す言葉です。
イギリスのケネル・クラブは1990年に、パーソン・ジャック・ラッセル・テリアという名前で犬種を公認しました。1999年に現在の名前へ変更されています。現在のパーソン・ラッセルとジャック・ラッセルは別の犬種で、パーソンのほうが脚は長めです。白い部分の多いテリアを見ても、毛色だけでどちらかを確実に判断することはできません。
各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟FCIは、標準第339号にこの犬種を掲載しています。理想的な体高はオスが36cm、メスが33cmです。体高は犬が立った状態で、地面から肩の最も高い位置までを測ります。ここで示されるのは繁殖上の理想の数値で、すべての犬の体高を含む範囲ではありません。胴体は体高より少し長く、V字型の耳は前に折れます。被毛は白、または白が主体で、タンと呼ばれる黄褐色、レモンと呼ばれる淡い黄色、黒の模様が入り、これらの色が組み合わさることもあります。
健康
子犬を選ぶ前には、両親犬の健康検査の結果を確認するとよいでしょう。ロイヤル・ケネル・クラブは、遺伝情報を調べるDNA検査として、原発性水晶体脱臼、遅発性運動失調、脊髄小脳性運動失調の検査を推奨しています。眼科検査も挙げています。検査結果がそれぞれどの親犬のものか分かることが大切です。
水晶体は、光を集めてはっきり見えるようにする、目の中の透明なレンズです。原発性水晶体脱臼はPLLとも呼ばれ、このレンズが本来の位置からずれる病気です。水晶体を支える線維が傷むことで起こる場合があります。ずれた水晶体は痛みや眼圧の上昇を引き起こし、短時間で視力を脅かすことがあります。目が急に痛そうになる、赤くなる、涙が増える、見えにくそうにするときは、急いで獣医師に診てもらう必要があります。DNA検査で調べられるのは、知られている遺伝的な原因の一つです。異常なしという結果でも、ほかの原因による水晶体の問題までは除外できません。
運動失調とは、体の動きをうまく調整できない状態です。遅発性運動失調のLOAや、脊髄小脳性運動失調のSCAでは、歩き方が不安定になったり、バランスを崩したりすることがあります。これらにはDNA検査がありますが、歩行の乱れを引き起こすすべての病気を調べられるわけではありません。新たなふらつき、震え、つまずきが出たときは、検査結果にかかわらず獣医師に相談することが大切です。
ロイヤル・ケネル・クラブは、寿命の目安を12年超としています。個々の犬の寿命には幅があります。親犬の検査結果がよくても、定期的な健康管理や、目、動き、行動の変化への気配りは続けていきたいものです。
この品種はあなたの暮らしに合いそう?
こんな場合に合う可能性があります…
- 小さく活発な犬と、毎日一緒に出かけることを楽しみたい。
- 呼び戻しや暮らしに必要な練習へ根気よく取り組み、安全な運動場所を用意できる。
- 狩猟本能を理解し、ほかの動物との必要な住み分けや落ち着いた顔合わせを計画できる。
こんな場合は合わない可能性があります…
- 運動や一緒に行う活動が少なくてすむ小型犬を探している。
- 安全な囲いを用意したり、穴を掘ろうとする場面や動物を追いたがる場面でリードを使って安全に管理したりすることが難しい。
- 長時間の不在が日常的にあり、頼れる世話を手配できない。
ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。
大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。
フランスのブルターニュ地方で育った小型の嗅覚猟犬
バセット・フォーヴ・ド・ブルターニュ
フランス生まれの小型の嗅覚猟犬で、においを頼りに獲物を追ってきた犬です。小麦色から赤みのある色の粗い被毛を持ち、短い脚からは想像しにくい持久力があります。社交的で探索好きな一方、狩りへの関心も強いため、毎日の外出と根気のよい練習が暮らしの大切な部分になります。
ノルウェーの崖で海鳥の猟に使われていた犬
ノルウェジアン・ルンデフント
ノルウェジアン・ルンデフントには、それぞれの足に少なくとも6本の指があります。とても柔軟な体は、かつて険しい海岸でニシツノメドリという海鳥を捕らえるのに役立っていました。現在は活発な小型の家庭犬としても暮らしていますが、健康面には特別な配慮が必要です。迎える前には、この犬種に見られる遺伝性の腸の病気をよく知っておきたいところです。
スウェーデンの小型牧畜犬
スウェーディッシュ・ヴァルフント
短い脚とがっしりした体、周囲に注意を向ける表情が特徴的な犬です。小柄でも活動的で、家族と一緒に課題に取り組むことを楽しみます。毎日の散歩と練習に加え、健康管理の時間も考えておきたい犬種です。密な被毛には定期的なブラッシングが必要で、毛が生え替わる時期は手入れが増えることがあります。
出典と写真クレジット
- Teaching your dog to be left alone
このプロフィールでの参照箇所: 留守番について
- Everything You Need to Know About Hand Stripping Dog Coats
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Canine Genetics Laboratory, Russell Terrier group
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Spinocerebellar Ataxia
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- At Home
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Health of the Breed
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Parson Russell Terrier, FCI Standard No. 339
このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 犬種の歴史と体の特徴, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Parson Russell Terrier
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話, 犬種の歴史と体の特徴, 健康, 寿命
- Dental disease in dogs
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Grooming and bathing pets
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Glossary of canine terms
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Separation-related behaviour
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Training your dog
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Primary Lens Luxation (PLL)
このプロフィールでの参照箇所: 健康
写真の出典
横向き · File:Parson Russell Terier.jpg · Sadnes · CC BY-SA 3.0 · 編集済み
正面 · File:Parson Russell Terriër.jpg · Timo Clemens · CC BY-SA 3.0 · 編集済み
活動中 · File:Agility - Slalom 4.jpg · A. Buser · CC BY-SA 3.0 CH · 編集済み
日常の様子 · File:Bolt dreaming.jpg · Mauro Cateb · CC BY-SA 4.0 · 編集済み



