白地に赤い斑があるアイルランドの鳥猟犬
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、白い毛に鮮やかな赤い斑が入る、力強く持久力のある鳥猟犬です。家族に愛情を寄せる一方、毎日の十分な運動と、人と一緒に取り組むさまざまな活動を必要とします。赤一色のアイリッシュ・セターよりも古い歴史を持つ犬種です。
基本情報
- 大きさ
- 大型
- 体高
- 57~66 cm
- 寿命
- 11~15年
- 運動量
- 多め
- お手入れ
- 週に数回
- トレーニング
- 根気強く、わかりやすく導く
- 飼育経験
- 飼育経験があると安心
鳥を探す仕事を受け継ぐ、赤と白のセター
アイルランドでは、赤一色のタイプが広まる前から赤と白のセターが猟に使われていました。仕事は鳥を見つけ、その居場所を猟師に知らせること。かつては鳥の近くで身を低くし、猟師が鳥に網をかけられるようにしていました。この姿勢を取る行動が英語で「setting」と呼ばれ、セターという名前の由来になりました。猟の方法が変わっても、鳥を探して位置を示す能力は大切にされました。
19世紀後半、ドッグショーでは赤一色のセターに人気が集まり、赤と白のタイプは一時ほとんど姿を消しかけました。1920年代に愛好家たちが残った犬をもとに繁殖を進め、頭数の回復に取り組みました。現在はアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターという独立した犬種として扱われています。
被毛は白地に境目のはっきりした赤い斑が入り、耳、胸、脚、尾には細く長い毛が伸びます。国際的な犬種団体である国際畜犬連盟、略称FCIは、望ましい体高を雄62から66センチメートル、雌57から61センチメートルとしています。体高は地面から肩の最も高い部分までの高さです。しっかりした体つきで、長く活動を続ける力があります。
親しい人には友好的で活発な犬が多く、練習は短く変化をつけると集中しやすくなります。ただし、草むらから飛び立つ鳥に気づくと、覚えている合図より鳥に気を取られることもあります。子どもとの遊びには大人が付き添うのがよいでしょう。ほかのペットとの暮らしでは、その犬がこれまでにどのような経験をしてきたかも重要です。ウサギやモルモットは犬が入れない場所で飼うようにしましょう。追いかけたり、口でつかんだりすれば、大きなけがにつながります。
日々の暮らし
この犬を迎えるなら、毎日外で過ごす時間を楽しめる暮らしが向いています。健康な成犬には十分な運動が必要です。長めの散歩や体力に合ったハイキング、においを頼りに物を探す遊びなら、持久力と嗅覚の両方を使えます。短い散歩に慣れている犬は、少しずつ体力をつけていくのがよいでしょう。
呼ばれたら戻る練習は、まず気が散りにくい場所で始めます。野生動物のにおいや鳥が気になる道では、ハーネスに長いリードをつける方法が役立ちます。自由に走らせるには、しっかり柵で囲まれた場所が必要です。庭だけでは、散歩で出会う変化や人と一緒に活動する時間を十分に補えません。
ただ長い距離を歩くだけでなく、練習用のおもちゃを探して持ってくる遊びも取り入れられます。最初は犬に待ってもらい、見慣れた物を数歩先に置いてから探してもらう程度で十分です。できることに合わせて難しさを調整するとよいでしょう。家では静かに休む時間と家族のそばで過ごす時間も必要です。留守番の練習は、落ち着いて過ごせる短い時間から始めることをおすすめします。
留守番について
犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

毎日のお世話
耳や脚、胸の長い毛は週に数回ブラシをかけ、コームでも優しくとかすとよいでしょう。耳の後ろや脚の内側には毛玉ができやすくなります。小さいうちにほぐすほうが、皮膚の近くで固く絡まってから取り除くより負担を抑えられます。
散歩の後は、足の指の間も含め、植物のかけらや小さな異物がついていないか確認しておきましょう。耳も定期的に見ると変化に気づきやすくなります。赤み、いつもと違うにおい、繰り返し頭を振るしぐさがあれば、痛みやかゆみの原因を獣医師に調べてもらうことが大切です。耳の洗浄に使うものは動物病院で相談すると安心です。
歩きやすい長さに爪を整え、歯を清潔に保つことも日々のケアに含まれます。犬用歯磨き剤を使う歯磨きは、少しずつ慣らしていけます。食事と練習用のおやつの量は実際の運動量に合わせ、余分な脂肪をつけず動きやすい体を保てるようにしましょう。

子犬からシニア期まで
セターの子犬は、成長中の体が無理なくこなせる以上に遊びたがることがあります。短い探索、簡単な練習、安全な場所での自由な動きから始めるのがよいでしょう。長距離のジョギングや自転車の横を走る運動は、体が十分に成長するまで待ちます。穏やかな出会いや適切に指導される子犬教室は、気になるものが多い場所でも人の声に応じる練習に役立ちます。
成犬の運動時間とペースも、その犬の体力に合わせることが大切です。年を重ねたら、においを嗅ぐ時間を多めに取った短い散歩や、慣れた探し物遊びを楽しめます。立ち上がり方や歩き方が変わったとき、運動後の回復に時間がかかるようになったときは、診察を受けるとよいでしょう。米国の犬種団体アメリカン・ケネル・クラブは、寿命の目安を11から15年としています。

健康
英国のロイヤル・ケネル・クラブは、繁殖に使う犬に股関節と眼の検査、さらにCLADのDNA検査を勧めています。CLADは犬白血球接着不全症の略称です。感染から体を守る白血球の働きに関わる遺伝性疾患で、発症した犬は重い感染症を繰り返し、若いうちに命を落とすこともあります。
DNA検査では、調べた遺伝子変異を持たない犬、変異を1つ持つ健康な保因犬、2つ持つ発症犬を区別できます。保因犬だからといって、その犬が病気というわけではありません。ただし、保因犬同士の交配からは発症する子犬が生まれる可能性があります。子犬を選ぶ前に、両親の検査結果と、それを踏まえてどのように組み合わせを決めたかを説明してもらうとよいでしょう。
股関節形成不全は、股関節が不安定になり、痛みや後の関節の傷みにつながる病気です。CLADのDNA検査を受けていても、股関節の検査や眼科を専門とする獣医師の検査は別に必要です。迎えた犬が繰り返し脚をかばう、眼の様子が変わる、感染症にかかることが異常に多いといった場合は、動物病院で相談しましょう。Fellfolioに検査結果と観察したことをまとめておくと、次の診察でもそれまでの経過を伝えやすくなります。
この品種はあなたの暮らしに合いそう?
こんな場合に合う可能性があります…
- 長めの外出や一緒に学ぶ活動を楽しめる、活発な犬を迎えたい。
- 鳥や野生動物のにおいへの関心を理解し、安全な練習と運動場所を用意できる。
- 定期的な被毛の手入れ、家族と過ごす時間、健康検査の確認に時間を使える。
こんな場合は合わない可能性があります…
- 十分な運動、においを使う遊び、一緒に練習する時間を毎日取るのが難しい。
- 鳥や野生動物がいる場所でもリードを外したいと考えており、安全に走れる別の場所を用意できない。
- 被毛の手入れをなるべく少なく済ませたく、週に数回長い毛をとかす時間を取れない。
ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。
大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。
密な下毛を持つ日本のスピッツ系の犬
秋田犬
秋田犬は、密な下毛、立ち耳、巻いた尾を持つ大きな犬です。親しい人と強く結びつく一方、知らない人には距離を置くことがあります。自分で判断する性質と狩りの本能があるため、出会いを落ち着いて見守り、日々の練習に時間をかけられる人に向いています。
スイス・ゼンネンフント
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、人のそばにいるのが好きなスイス原産の大型農場犬です。幼いうちからリードをつけて歩く練習を始め、密な被毛を定期的に手入れし、夏の散歩は涼しい時間帯にしましょう。
出典と写真クレジット
- Teaching your dog to be left alone
このプロフィールでの参照箇所: 留守番について
- Canine Hip Dysplasia
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Position Statements and Humane Dog Training
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Ear problems in pets
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Exercising Your Puppy
このプロフィールでの参照箇所: 子犬からシニア期まで
- Training Your Dog to Be Left Alone
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Children and Dogs
このプロフィールでの参照箇所: 気質
- Caring for Your Dog’s Teeth
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Keeping rabbits indoors
このプロフィールでの参照箇所: 気質
- Train Your Dog to Come When Called
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Irish Red and White Setter
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 子犬からシニア期まで, 寿命, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- setter parent club health statement
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Irish Red and White Setter FCI330
このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 毎日のお世話
- Irish Red and White Setter
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 健康, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Canine Leukocyte Adhesion Deficiency in Irish Setters
このプロフィールでの参照箇所: 健康
写真の出典
横向き · Irish Red And White Setter in Tallinn 5.JPG · Томасина · CC BY-SA 3.0 · 編集済み
毛並みと特徴 · Irws fem.jpg · Louis Bafrance · CC BY 3.0 · 編集済み
日常の様子 · Sleeping Irish Red and White Setter.jpg · Ordinary Guy · CC BY 2.0 · 編集済み
活動中 · Dog in the swimming-pool (50252434).jpg · O. G. · CC BY 2.0 · 編集済み



