ヨークシャー原産の大きなテリア
エアデール・テリア
硬い被毛に長い頭、そして目を引くあごひげ。エアデールは、ひと目で印象に残る犬です。テリアの中では最も大きく、小さなテリアたちと同じように好奇心や自立心を備えています。生まれ故郷はイングランドのヨークシャーで、川岸での狩りに使われていました。一緒に外へ出かけることを楽しみ、根気よく教え、定期的な被毛の手入れにも時間をかけられる人に向いています。
基本情報
- 大きさ
- 大型
- 体高
- 56~61 cm
- 寿命
- 10年より長い
- 運動量
- 多め
- お手入れ
- 週に数回
- トレーニング
- 根気強く、わかりやすく導く
- 飼育経験
- 飼育経験があると安心
好奇心旺盛で、自信があり、家族と過ごすことが好き
国際的な犬種標準では、自信があり、友好的で、周囲によく気を配る犬とされています。アメリカの犬種団体であるエアデール・テリア・クラブ・オブ・アメリカも、活動を楽しみ、家族のそばにいることを好む点を挙げています。来客や子ども、ほかの動物への反応には、その犬がこれまで経験してきたことも関わります。成犬を迎えるなら、普段世話をしている人に具体的な様子を聞いておくと参考になります。
テリアとしての狩猟本能から、野生動物や小さな動物を追おうとすることがあります。ウサギが飛び出したり猫が走ったりすると、飼い主の呼び声よりもそちらに強く気を取られるかもしれません。呼ばれたら戻る練習は、早いうちから簡単な状況で始めるとよいでしょう。確実に戻れない場所ではリードで安全を確保し、練習には長いリードであるロングリードを使う方法もあります。犬の動きを安全に管理できる使い方を覚えることが大切です。家庭の小動物とは、直接触れ合わないように分けて飼う必要があります。
遊ぶときには体の大きさや力の強さにも配慮したい犬です。子どもと遊ぶ場には大人が付き添い、興奮が高まっていないか見守るようにしましょう。犬が自分から離れ、邪魔されずに休める場所も必要です。先住犬がいる場合は、落ち着いた環境で顔合わせをすると、お互いにくつろいでいるか、もう少し距離が必要かを観察しやすくなります。

日々の暮らし
エアデールは、においを調べたり周囲を探索したりする機会を楽しみます。ゆっくりにおいを嗅げる散歩、庭での探し物、新しい練習などを組み合わせると、毎日に変化をつけられます。広い敷地があるだけでは、十分な活動にはなりません。アメリカの犬種団体も、安全な場所で体を動かすことと、家族の生活に加わることを重視しています。
使い慣れたおもちゃを探す遊びなら、鼻を使う楽しさを取り入れられます。最初はよく見える位置に置き、慣れたら簡単な場所に隠すとよいでしょう。さらに取り組みたくなったら、経験のある指導者とトラッキングを試す方法もあります。人が歩いた跡に残るにおいを、犬がたどっていく活動です。アメリカの犬種団体も、エアデールが楽しめる活動として紹介しています。運動の内容は、その犬の年齢、体力、関節の状態に合わせて選ぶことが大切です。
何をすればよいか分かりやすい課題と、その犬が喜ぶごほうびが学習を助けます。イギリスの動物保護団体RSPCAは、初めは気が散りにくい環境で、短い練習を定期的に行うことを勧めています。うまくできないときは、課題を簡単にしてあげると進めやすくなります。呼ばれたら戻る、リードを引っ張らずに歩く、落ち着いて待つといった練習は、日々の暮らしで役立ちます。
外遊びや練習のあとは、眠って休む時間も必要です。留守番には少しずつ慣らし、長い不在が日常的にあるなら、頼れる世話の手配を考えておきましょう。出かけると長時間吠える、息を荒くする、行ったり来たりを繰り返す場合は、強い不安を感じている可能性があります。獣医師に相談し、必要に応じて適切な資格や経験のある行動の専門家にも支援を求めるとよいでしょう。
留守番について
犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

毎日のお世話
被毛は、外側の硬い毛と、その下に生える短く柔らかな下毛からできています。ブラシとくしによる定期的な手入れが必要です。あごひげには食べ物が付きやすく、脚やおなかには散歩中の汚れが入り込みます。毛が固く絡まる前に、汚れを落としたり、もつれを優しくほぐしたりするとよいでしょう。
硬い被毛の手入れには、ハンドストリッピングという方法があります。抜ける時期を迎えた古い毛を、手や適切な道具で取り除く技術です。バリカンで毛を短くする方法とは異なります。硬い被毛の犬に慣れたトリマーに方法を教わるか、手入れを依頼すると安心です。家庭犬の場合は、毛を整えるカットと古い下毛を取り除く方法を組み合わせられるか、相談することもできます。犬が痛みや余計なストレスを感じず、被毛をよい状態に保てることが大切です。必要な頻度は、毛の伸び方や状態によって変わります。
抜け毛は比較的少なめですが、犬アレルギーのある人に必ず合うわけではありません。被毛の手入れも引き続き必要です。ブラッシングの際には、皮膚、足先、耳、爪も確認できます。犬用歯磨き剤を使った歯磨きは少しずつ慣らし、できれば毎日の習慣にするとよいでしょう。新たな赤み、繰り返し頭を振る様子、食べるときの痛みは、獣医師に確認してもらうことが勧められます。

犬種の歴史と体の特徴
エアデールは、イングランド北部のヨークシャーで生まれました。祖先の犬たちはエア川、ワーフ川、カルダー川の岸辺で働き、水辺を意味するウォーターサイド・テリアという名前でも呼ばれていました。水の近くでの狩りや、害獣とされる動物の駆除を担っていた犬です。のちには仕事の幅が広がり、二度の世界大戦では伝令犬や追跡犬、赤十字の活動を助ける犬としても使われました。
各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟FCIは、この犬種を標準第7号に掲載しています。体高の目安はオスが58〜61cm、メスが56〜59cmです。体高は犬が立った状態で、地面から肩の最も高い位置までを測ります。丈夫な体に長い頭、小さく折れたV字型の耳を持ちます。背中には黒、または暗い色の毛が混ざるグリズルと呼ばれる模様があり、体のほかの大部分はタンという黄褐色から赤褐色です。硬い被毛とあごひげも特徴です。
さまざまな仕事をしてきた歴史は、探索好きで自分で判断し、気になるにおいを粘り強く追う性質にもつながっています。探し物や一緒に出かける時間は、その好奇心を生かす機会になります。安全に運動できる場所と、根気のよい練習を用意すると、暮らしやすさにつながるでしょう。
健康
子犬を選ぶ前には、両親犬の健康検査の結果を見せてもらうとよいでしょう。イギリスの犬の登録団体ロイヤル・ケネル・クラブは、エアデールの股関節形成不全と肘関節形成不全の検査を勧めています。「親犬は健康」「とても運動が得意」といった説明だけよりも、実際の検査結果が判断の助けになります。
股関節形成不全は、股関節が正常に発達せず、緩みが生じる病気です。肘関節形成不全は、肘の発達に関わる複数の異常を含みます。どちらも痛みや関節の変性につながることがあります。足を引きずる、休んだあとに動きが硬い、立ち上がりにくいといった変化は、獣医師に確認してもらうことが大切です。数歩歩くと楽そうに見えても、同じ変化が繰り返し見られるなら相談の理由になります。
太らせない体重管理と、体に合った運動は関節を支える助けになります。成長期の食事や運動は、獣医師と相談して調整するとよいでしょう。食事量には練習のごほうびも含め、成長と活動量に合わせることが必要です。足の痛みや歩き方の変化が繰り返し見られるときは、運動を増やす前に獣医師へ相談することが勧められます。
ロイヤル・ケネル・クラブは、この犬種の寿命の目安を10年超としています。個々の犬がどのくらい生きるかには違いがあります。繁殖前の健康検査、定期的な診療、動きや皮膚、食べ方の変化に早く気づくことが、健康管理につながります。
この品種はあなたの暮らしに合いそう?
こんな場合に合う可能性があります…
- 犬と外で過ごすことが好きで、散歩や探し物、練習を一緒に楽しみたい。
- 狩猟本能や自立心に根気よく向き合い、安全に走れる場所を選べる。
- 定期的な被毛の手入れを行い、必要なら経験豊富なトリマーにも依頼できる。
こんな場合は合わない可能性があります…
- 主な運動は庭に任せたいと考えていて、一緒に出かけたり練習したりする時間が少ない。
- 小動物と安全に分けて飼うことや、猫や野生動物の近くで犬の動きを管理することが難しい。
- 被毛の手入れにはあまり時間をかけたくなく、専門のトリマーへ定期的に依頼する予定もない。
ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。
大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。
密な下毛を持つ日本のスピッツ系の犬
秋田犬
秋田犬は、密な下毛、立ち耳、巻いた尾を持つ大きな犬です。親しい人と強く結びつく一方、知らない人には距離を置くことがあります。自分で判断する性質と狩りの本能があるため、出会いを落ち着いて見守り、日々の練習に時間をかけられる人に向いています。
スイス・ゼンネンフント
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、人のそばにいるのが好きなスイス原産の大型農場犬です。幼いうちからリードをつけて歩く練習を始め、密な被毛を定期的に手入れし、夏の散歩は涼しい時間帯にしましょう。
出典と写真クレジット
- Teaching your dog to be left alone
このプロフィールでの参照箇所: 留守番について
- Pet Allergies
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- The Airedale
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Obedience, Rally and Tracking
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Airedale Terrier, FCI Standard No. 7
このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 毎日のお世話, 犬種の歴史と体の特徴
- Airedale Terrier
このプロフィールでの参照箇所: 犬種の歴史と体の特徴, 健康, 寿命, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Everything You Need to Know About Hand Stripping Dog Coats
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Elbow dysplasia
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Canine hip dysplasia (CHD)
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Dental disease in dogs
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話, 健康
- Grooming and bathing pets
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Separation-related behaviour
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Training your dog
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
写真の出典
横向き · File:Airedale-terrier-charles14m.jpg · Zuni1520 · CC BY-SA 3.0 · 編集済み
正面 · File:AIRDALE (6998246299).jpg · Dorian Wallender · CC BY-SA 2.0 · 編集済み
毛並みと特徴 · File:Izzers.jpg · Lisammathis · Public domain
子犬 · File:Airedale terrier four months old May 2014.jpg · Jd.101 · CC BY-SA 3.0 · 編集済み



