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隠れた獲物を探して追い立てる猟犬

アメリカン・コッカー・スパニエル

アメリカン・コッカー・スパニエルは、優しい表情と長く絹のような毛を持ちながら、猟犬らしい好奇心も備えています。人のそばで過ごし、ゆっくりにおいを調べ、一緒に遊ぶことが好きな犬が多くいます。大きすぎない体は、さまざまな住まいになじみやすい一方、被毛や耳の手入れと、楽しめる活動のための時間が必要です。

大きさ: 小型運動量: ほどほどお手入れ: 毎日

基本情報

大きさ
小型
寿命
10~14年
運動量
ほどほど
お手入れ
毎日
トレーニング
協力的なことが多い
飼育経験
サポートを受けながら初めて飼う

一緒に何かをすることが好きな、明るいスパニエル

各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟FCIの標準は、アメリカン・コッカーを、気質が安定した明るい犬と説明しています。人と一緒に学ぶことを好み、褒め言葉、遊び、食べ物のごほうびに反応する犬が多くいます。分かりやすい合図と、成功しやすい課題が学習を助けます。難しそうなら、周囲の気になるものを減らしたり、簡単な段階に戻したりするとよいでしょう。

人懐こいコッカーでも、来客に興奮して近づいたり、気になるにおいがあると呼びかけを聞き逃したりすることはあります。落ち着いてあいさつする、呼ばれたら戻る、ドアの前で待つといった行動は、少しずつ教えられます。子どもには、食事中や睡眠中の犬をそっとしておくことを伝えるとよいでしょう。触れ合うときは大人が見守り、犬が安心しているかも気にかけることが大切です。

茂みの獲物を探して追い立てる猟犬としての歴史は、今の暮らしにも関係します。鼻を使って隠れた動物を探し、外へ出す仕事です。そのため、鳥のにおい、茂みの物音、走って逃げる小動物に強い関心を示すことがあります。猫との顔合わせでは、両方の動物が以前どんな経験をしたか、その場でどう反応しているかを見ながら進めるとよいでしょう。

日々の暮らし

一緒に歩き、においを調べる時間もある散歩がよく合います。散歩の途中で、知っている呼び戻しの合図を練習し、戻ったら褒めることもできます。野生動物のいる場所では、呼び戻しを覚える間、ハーネスに長いリードをつないで行動範囲を調整するとよいでしょう。長いリードを安全に扱うことも大切です。

おもちゃを持ち帰ることが好きなコッカーも多くいます。初めは、体に合う大きさの柔らかいおもちゃを、近くに置いたり短い距離だけ投げたりできます。追いかけるだけでなく、戻ってきて快く渡すことも褒めるとよいでしょう。家の中での探し物遊びも、鼻を使う機会になります。遊びに使う食べ物は、一日の食事量から取り分けることが大切です。

毎日の散歩、人と過ごす時間、静かな寝場所があれば、集合住宅でも暮らせます。長く留守にする日は、世話を頼める人を用意するとよいでしょう。留守番の練習は、安心していられる短い別行動から始められます。吠え続ける、歩き回る、ドアを引っかくときは、進め方を見直す必要があります。専門家の助言が役立つこともあります。

留守番について

犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

アジリティのコースで、青と黄色の輪を跳び抜けるアメリカン・コッカー・スパニエル。
障害物のあるコースを進むドッグスポーツ、アジリティに参加するアメリカン・コッカー・スパニエル。

毎日のお世話

耳、胸、お腹、脚にある長い毛は、飾り毛と呼ばれます。表面が滑らかでも、奥で絡まっていることがあります。定期的に皮膚の近くまでくしを通し、もつれを確認することが大切です。特に耳の後ろやわきの下では、指で優しく触ると毛玉を見つけやすくなります。固い毛玉は、強く引っ張ったり、皮膚の近くにはさみを入れたりせず、経験のある人に任せるとよいでしょう。

暮らしに合った長さに整えると、手入れがしやすくなります。スパニエルに慣れたトリマーなら、道具の使い方や適した長さを相談できます。シャンプー後は十分にすすぎ、被毛と耳を丁寧に乾かすことが大切です。耳の縁の皮膚は薄いので、くしを使うときも優しく扱います。子犬の頃から短い手入れとごほうびを組み合わせると、足先、被毛、耳の確認に慣れやすくなります。

垂れ耳は、赤み、におい、分泌物がないか定期的に確認するとよいでしょう。洗浄は獣医師の助言に従い、適した製品で行うことが大切です。耳をかく、頭を振る、痛がるときは、早めの診察が必要です。犬用歯磨き剤を使う毎日の歯磨きも役立ちます。散歩後は、足先や脚の長い毛に植物片が付いていないか確認するとよいでしょう。

ドッグショーの手入れ台に立つ、長く淡い色の被毛を持つアメリカン・コッカー・スパニエル。
ドッグショーで見られる、アメリカン・コッカー・スパニエルの長い被毛。

犬種の歴史と体の特徴

アメリカンとイングリッシュのコッカー・スパニエルは、同じスパニエルの祖先を持ちますが、今は別の犬種です。アメリカでは、よりコンパクトな体、短めの口元、豊かな飾り毛を持つ犬が発達しました。アメリカン・ケネル・クラブは1946年に両者を別の犬種としました。アメリカの標準では、獲物を追い立てる仕事だけでなく、家庭の伴侶としての役割も明記されています。

体は引き締まってまとまりがあり、表情は優しく、長い耳が頭の両側に垂れます。被毛は絹のようで、まっすぐか、少し波打つのが望ましいとされています。標準には黒、ほかの単色、複数の色が入る被毛が記載されています。理想の体高はオス38.1cm、メス35.56cmで、それぞれ上下1.27cmの許容幅があります。体高は、立った犬の地面から肩の上の最も高い部分までの高さです。オスとメスそれぞれの理想値に許容幅があり、共通の体高範囲を表したものではありません。FCI標準には体重の指定はありません。

健康

子犬を選ぶ際には、両親犬の股関節の検査結果と、最近の眼科検査の記録を確認するとよいでしょう。アメリカン・スパニエル・クラブは、繁殖犬にこうした検査を勧めています。股関節形成不全は、股関節の発達に異常があり、痛みや関節の変性につながる病気です。足を引きずる、動きが硬い、立ち上がりにくい場合は、獣医師に診てもらうことが大切です。

定期的な眼科検査も重要です。白内障は水晶体が濁り、視力が低下することのある病気です。水晶体は目の中の透明な部分で、光を集めてはっきり見る働きをします。PRAは進行性網膜萎縮の略で、目の中で光を受け取る網膜に関わる複数の遺伝性疾患を指します。PRA-prcdのDNA検査が調べるのは、そのうちの特定の型です。該当する遺伝子の変化が見つからなくても、眼科検査や血縁の犬のほかの病歴の確認は必要です。目の赤み、目を細める様子、急な見え方の変化があれば、早めに獣医師へ相談する必要があります。

耳の感染症には痛みが伴うことがあり、アレルギー、酵母、細菌など、さまざまな原因が関係します。繰り返す場合は、もとの原因を治療できるよう、獣医師に相談することが大切です。食べ物のごほうびをよく使うなら、体重にも目を配るとよいでしょう。アメリカン・ケネル・クラブが示す寿命の目安は10〜14年です。長い暮らしを考える参考になりますが、個々の犬が生きる年数を予測するものではありません。

この品種はあなたの暮らしに合いそう?

こんな場合に合う可能性があります…

  • 大きすぎない犬と、毎日散歩や遊び、練習を楽しみたい。
  • 丁寧な被毛の手入れに定期的な時間を取り、必要に応じて専門家に頼める。
  • 犬と日々の暮らしをともにし、長い不在時には世話を頼む準備がある。

こんな場合は合わない可能性があります…

  • 被毛の手入れにはあまり時間を使いたくなく、定期的に専門家へ頼むことも難しい。
  • 野生動物や小動物を追いかけそうな場所で犬の安全を保つのが難しい、または呼び戻しの練習にあまり時間を使いたくない。
  • 長い不在が日常的にあり、頼れる世話を手配できない。

ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。

大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。

愛玩犬

ビション・フリーゼ

小型12年より長い

ビション・フリーゼは小さくて遊び好きな愛玩犬で、飼い主のそばにいることを好みます。白い巻き毛は抜け毛が少ない一方、毎日手入れをしないと毛玉ができます。

愛玩犬

ハバニーズ

小型12年より長い

小柄で活発なハバニーズは、家族の輪に加わるのが大好きです。長い被毛は美しい一方、毎日の手入れが必要です。

愛玩犬

マルチーズ

小型12年より長い

マルチーズは好奇心旺盛な小型の愛玩犬です。人のそばにいるのが好きで、自分の足で周囲を探検します。長く白い被毛は毎日ブラッシングとコーミングが必要です。

出典と写真クレジット

  1. Teaching your dog to be left alone

    このプロフィールでの参照箇所: 留守番について

  2. Cocker Spaniel

    このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 寿命, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  3. Guidelines for Breeding

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  4. American Cocker Spaniel, FCI Standard No. 167

    このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 毎日のお世話, 犬種の歴史と体の特徴, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  5. Cocker Spaniel Health Statement

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  6. History of the Cocker Spaniel and the ASC

    このプロフィールでの参照箇所: 犬種の歴史と体の特徴

  7. Canine hip dysplasia (CHD)

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  8. Dental disease in dogs

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  9. Ear problems in pets

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話, 健康

  10. Eye problems in dogs

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  11. Grooming and bathing pets

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  12. Teaching your dog to be left alone

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  13. Separation-related behaviour

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

  14. Training your dog

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

  15. Progressive Retinal Atrophy, Progressive Rod-Cone Degeneration (PRA-prcd)

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

写真の出典

正面 · American Cocker Spaniel buff portrait.jpg · "Mike" Michael L. Baird · CC BY 2.0 · 編集済み

活動中 · American Cocker Spaniel agility.jpg · Ron Armstrong · CC BY 2.0 · 編集済み

子犬 · AMERICAN COCKER SPANIEL PUPPY 7 WEEKS.jpg · Funkymint · CC BY-SA 3.0 · 編集済み

毛並みと特徴 · An American Cocker Spaniel.jpg · Matt Batchelor · CC BY 2.0 · 編集済み