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粗い被毛を持つドイツの家庭犬

アーフェンピンシャー

ふさふさの眉毛とあごひげ、くしゃっとした顔の毛が印象的なアーフェンピンシャー。小さくても活発で、家族と出かけることを好み、自分なりの考えで動く面もあります。散歩や遊び、家族と過ごす時間があれば、集合住宅での暮らしも考えられます。粗い毛には定期的な手入れが必要で、子どもや大きな犬と関わるときは、小さな体に配慮することが大切です。

大きさ: 小型運動量: ほどほどお手入れ: 週に数回

基本情報

大きさ
小型
体高
25~30 cm
体重
4~6 kg
寿命
12~15年
運動量
ほどほど
お手入れ
週に数回
トレーニング
根気強く、わかりやすく導く
飼育経験
サポートを受けながら初めて飼う

小さな体でよく気づき、自分でも考える犬

国際的な犬種標準では、注意深く粘り強く、身近な人に深い愛着を持つ犬とされています。好奇心と自信を持って周囲を調べる犬も多く、一緒に出かける楽しみがあります。一方で、小さな犬でもにぎやかな場所では強く興奮することがあります。飼い主が落ち着いて支え、日常に役立つ合図を早いうちから教えると助けになります。

同じ課題を何度も繰り返すより、短く変化のある練習のほうが取り組みやすいことがあります。手の合図について決まった場所へ行く、おもちゃを快く渡すといったことは、実用的な出発点です。どの行動がよかったのか、ご褒美で伝える方法が役立ちます。集中が続かなくなったら、練習を延ばすより一息入れるほうがよい場合もあります。

子どもには優しい触れ方を教え、犬を持ち上げたり取り囲んだりしないよう伝えることが大切です。一緒にいる間は大人が見守ると安心です。大きな犬との遊びも、この小さな体に合う速さや遊び方かを確かめる必要があります。猫との同居は、丁寧な顔合わせを経て可能な場合もありますが、判断にはそれぞれの反応が重要です。小型のげっ歯類には、犬が自由に入れない保護された飼育場所が必要です。

黄色い背景の前で舌を見せている、粗い毛を持つ黒いアーフェンピンシャーの顔。
特徴的な顔の毛を近くから見たところ。

日々の暮らし

アーフェンピンシャーは活発な家庭犬です。散歩では体を動かすだけでなく、匂いを嗅ぎ、周囲を探索できるとよいでしょう。小柄なので、一緒の外出もしやすい犬です。短い練習の中で、道路を渡る前に待つ、決めた合図で戻る、ほかの犬のそばを落ち着いて通ることを教えられます。車の多い道や活発な犬の近くでは、まず十分な距離を取り、相手を見たあと飼い主へ注意を戻せるようにするとよいでしょう。

家では、おもちゃに布をふわっとかぶせるだけでも探し物遊びになります。初めはおもちゃの一部を見えるようにすると、見つけやすくなります。布を噛んだり飲み込んだりしないよう、遊んでいる間は見守ることが大切です。鼻で飼い主の手に触れるといった小さな芸も、頭を使う活動になります。

静かな寝床と、家族と安心して過ごせる時間も必要です。留守番には少しずつ慣らしていくとよいでしょう。まだ落ち着いてひとりで過ごせない間の長い不在には、世話を頼む準備が必要です。暑い日は涼しい時間帯に活動すると負担を減らせます。鼻先が短いため、ハアハアと呼吸して熱を逃がす働きがうまくいきにくい場合があります。息苦しさや明らかな暑さによる体調不良があれば、直ちに獣医師の助けが必要です。

留守番について

犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

茶色いカーペットの上で前脚を伸ばして伏せる、アーフェンピンシャーのモリー。
カーペットの上でくつろぐアーフェンピンシャーのモリー。

毎日のお世話

頭の周りには粗い毛が立ち、眉毛、あごひげ、顔の縁取りを作っています。胴体の毛にも、もつれが隠れる場合があります。定期的にブラッシングし、そのあと優しくコーム(くし)を通すとよいでしょう。アメリカの犬の登録団体、アメリカン・ケネル・クラブは週に2回の手入れを勧めています。耳の後ろ、脚の付け根の内側、あごひげは特に確認したい場所です。

ハンドストリッピングとは、粗い被毛の中から、成長を終えて抜けやすくなった毛を丁寧に取り除く手入れです。この犬種に詳しいトリマーなら、それぞれの毛質に合う方法と負担を減らすやり方を説明してくれます。初めての人が、ただ強く毛を引っ張ることは避ける必要があります。毛玉や目と耳の近くの毛は、技術のある人に任せると安心です。犬がはっきり周囲を見られる状態を保つことも大切です。

足先、爪、耳は定期的に確認するとよいでしょう。赤み、嫌な臭い、頭を振る動作、痛みがあれば獣医師に相談する必要があります。小さな犬でも、犬用歯磨き剤での毎日の歯磨きは大切です。触れられる練習は短い段階から進められます。例えば足先に触れたら褒め、慣れてきてから持つ時間を延ばす方法があります。

明るい色の床でリードを着けて立つ、粗い被毛の黒いアーフェンピンシャー。
全身からわかる粗い被毛の様子。

成り立ちと体の特徴

アーフェンピンシャーの故郷はドイツです。各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟(FCI)の犬種標準には、南ドイツの粗い毛を持つ家庭犬や伴侶犬が記され、最初の血統登録は1879年とされています。名前はこの犬種の独特な顔つきに由来します。茂った眉毛、あごひげ、顔の立った毛が、猿のような表情を思わせるためです。

引き締まった体は高さと長さがおおむね同じで、鼻先は短めです。標準ではオス、メスともに体高25から30cm、体重はおおよそ4から6kgです。体高は犬が立った状態で、地面から肩の上の最も高い部分までを測ります。被毛は密で硬く、FCIの標準では黒い上毛と黒い下毛とされています。下毛とは、硬い上毛の下にある柔らかな毛の層です。

健康

子犬を選ぶ前には、両親の実際の検査報告を見せてもらうとよいでしょう。アメリカの犬種クラブAffenpinscher Club of Americaは目と膝の検査を挙げています。健康検査を記録するアメリカの制度CHICについては、2024年6月1日から股関節の評価と基本的な心臓の検査も推奨内容に加えています。古い証明書では、どの検査が含まれているかを確認することが大切です。制度への登録だけでなく、それぞれの結果を読む必要があります。

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿が本来通る溝から外れる状態です。一時的に3本脚で跳ぶように歩いたあと、また普通に歩くこともあります。短く治まっても繰り返す場合は、原因を調べることが大切です。股関節形成不全は股関節が正常に発達しない状態で、痛みや関節炎につながる場合があります。体が小さくても、こうした問題は起こりえます。

目や呼吸、持久力の変化も診察の対象になります。目が赤い、しょぼしょぼさせているときは、速やかに獣医師へ相談することが重要です。適した体重を保つと体の負担を減らせます。食べ物のご褒美も一日の食事量に含めて考えるとよいでしょう。アメリカン・ケネル・クラブが示す寿命の目安は12から15年です。長い暮らしを考える参考となる数値で、必ずその年齢まで生きるという意味ではありません。

この品種はあなたの暮らしに合いそう?

こんな場合に合う可能性があります…

  • 小さく活発な伴侶犬を迎え、一緒に短い練習を楽しみたい。
  • 散歩、家族と過ごす時間、定期的な手入れを予定に組み込める。
  • 自分なりの考えを持つ犬に、ご褒美を使って根気よく教えることが好き。

こんな場合は合わない可能性があります…

  • 子どもや大きな犬との激しい遊びで、この犬を十分に守って見守ることが難しい。
  • 定期的なブラッシングや、詳しい人による被毛のケアにあまり時間をかけたくない。
  • 犬が落ち着いてひとりで過ごせる時間より長い不在が日常的にあり、その間の世話も頼めない。

ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。

大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。

ベルギーの家庭犬

ブリュッセル・グリフォン

小型12~15年

ブリュッセル・グリフォンは小さく注意深い犬で、家族のそばで過ごすことを好みます。赤みのある硬い毛とひげが、このベルギー生まれの家庭犬の特徴です。人と過ごす時間、優しい教え方、定期的な被毛の手入れが必要になります。短い鼻先が健康上の問題につながることがあるため、呼吸にも気を配りたい犬種です。

テリア

ケアーン・テリア

小型10年より長い

ケアーン・テリアはかつて、スコットランドの石積みの間で小動物を探していました。今も同じ熱心さで、においを嗅ぎ、穴を掘り、周囲を探検します。体は小さくても、呼び戻しには練習が必要です。

絹のような被毛を持つ日本の小型家庭犬

狆

小型10~12年

狆(ちん)は絹のような被毛、幅のある顔、背中に載せた飾り毛の豊かな尾が特徴の小型犬です。元気に遊ぶことが好きで、家族とも深く結びつきます。優しい接し方と定期的な被毛の手入れに加え、短い鼻に関わる健康上の問題にも気を配りたい犬です。

出典と写真クレジット

  1. Teaching your dog to be left alone

    このプロフィールでの参照箇所: 留守番について

  2. Affenpinscher

    このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 毎日のお世話, 健康, 寿命, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  3. Affenpinscher, FCI Standard No.186

    このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 毎日のお世話, 成り立ちと体の特徴, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  4. Grooming your Affen

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  5. Health of the Affenpinscher, revised CHIC requirements June2024

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  6. Canine hip dysplasia (CHD)

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  7. Patellar luxation

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  8. Dental disease in dogs

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  9. Ear problems in pets

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  10. Eye problems in dogs

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  11. Grooming and bathing pets

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  12. Teaching your dog to be left alone

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

  13. Separation-related behaviour

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

  14. Training your dog

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

写真の出典

正面 · Affenpinscher breed.jpg · Futurebreak · CC0

横向き · Affenmonkeyterrier2.jpg · Canarian · CC BY-SA 4.0 · 編集済み

毛並みと特徴 · An Affenpinscher.jpg · Lori Branham · CC BY 2.0 · 編集済み

日常の様子 · Affenpinscher Molly.jpg · Dean Jarvey · CC BY 2.0 · 編集済み