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スイスの牧畜犬・番犬

エントレブッハー・ゼネンフント

エントレブッハーは、スイスの4つの牧畜犬種の中で最も小柄です。短い3色の毛と、引き締まった体が特徴で、家畜を動かしていた犬らしい活発さがあります。家族と過ごすことが好きで、散歩だけでなく、探し物の遊びや一緒の練習も楽しめます。小柄さだけで運動の少ない犬だと思わず、毎日の活動時間を考えて迎えたい犬です。

大きさ: 中型運動量: 多めお手入れ: 毎週

基本情報

大きさ
中型
体高
42~50 cm
寿命
12年より長い
運動量
多め
お手入れ
毎週
トレーニング
協力的なことが多い
飼育経験
飼育経験があると安心

活動を長く楽しむ体力があり、家族に親しみを示す犬

国際的な犬種基準では、活発で持久力があり、家族とのつながりが深い犬とされています。知らない人には、最初は警戒することがあります。来客には、いきなり触ったり近づきすぎたりしないよう伝えるとよいでしょう。犬が少し離れた場所から様子を見られるようにしておくと、落ち着いて挨拶する練習ができます。静かにしていられたり、自分から落ち着いて近づいたりしたときには、ごほうびをあげられます。

かつて牛を動かしていた犬だけに、動くものによく気づきます。家庭では、走る子どもや他の動物を止めようとしていないか、大人が気を配りたいところです。子どもには犬との接し方を教え、一緒の遊びでは両方の様子を見る大人が必要です。普段は家族のそばにいたがる犬でも、自分の寝床で休んでいるときは邪魔せずにいられる環境を勧めます。

迎える前には、他の動物とどんな経験をしてきたか聞いておくとよいでしょう。すでに猫や犬がいるなら、落ち着いて会えるよう準備して、お互いの反応を確かめていくことが役立ちます。それぞれの動物がどう振る舞うかを見ると、同居について具体的に考えられます。

カメラに向かって見上げるエントレブッハー・ゼネンフントの子犬。
カメラに向かって見上げるエントレブッハー・ゼネンフントの子犬。

日々の暮らし

定期的に外へ出かけ、人と一緒に活動したい犬です。においを嗅ぐ時間のある散歩、探し物の遊び、短い練習を組み合わせると、毎日同じ道を歩くだけのときより変化が生まれます。広い庭があっても、一緒の外出は取り入れたいものです。北米の犬種団体NEMDAは、毎日の運動を重視し、繰り返し跳び上がるフリスビー遊びは避けるよう勧めています。

見慣れたおもちゃを探す遊びなら、最初は簡単に見つかる場所から始められます。散歩の途中で、道を渡る前に静かに待つといった短い練習もできます。運動や課題の内容は、年齢、体力、関節の状態に合わせて選ぶとよいでしょう。

学ぶことを楽しむ犬ですが、新しい課題は分かりやすく伝えることが大切です。呼ばれたら戻る、リードを張らずに歩く、寝床で落ち着く練習は、暮らしの基礎になります。イギリスの動物福祉団体RSPCAは、短い練習を定期的に行い、身につけてほしい行動に報酬を与える方法を勧めています。活動の合間には、十分に眠り、くつろげる時間を用意したいものです。

留守番には少しずつ慣らし、定期的に長く不在になる場合は、頼れる世話の体制を考えておくとよいでしょう。出かけるときに繰り返し息が荒くなる、歩き回る、長時間吠えるといった様子があれば、獣医師に相談し、必要に応じて犬の行動に詳しい専門家の支援も受けることを勧めます。

留守番について

犬が留守番できるようになるには、少しずつ練習する必要があります。英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)は、1回の留守番を4時間以内にするよう勧めています。子犬や、留守番中に落ち着かなくなる犬は、留守にする時間をより短くし、段階的に練習しましょう。それ以上家を空ける場合は、犬を見てもらえる人を手配してください。

口を開けたエントレブッハー・ゼネンフントの横姿。
口を開けたエントレブッハー・ゼネンフントの横姿。

毎日のお世話

短くしっかりした表面の毛は体に沿っており、その下には密な下毛があります。イギリスの犬の登録団体、ロイヤル・ケネル・クラブは、週1回のブラッシングを目安にしています。季節による毛の生え替わりでは、抜け毛を取るため、より頻繁な手入れが必要なこともあります。散歩の後の手入れは、足先や皮膚を確かめる機会にもなります。

目、耳、爪、歯も定期的に見ておきたいところです。頭を何度も振る、耳から普段と違うにおいがする、皮膚が赤いといった変化は、獣医師に相談することを勧めます。犬用の歯磨きペーストを使った歯磨きは徐々に練習し、できれば毎日の習慣にするとよいでしょう。

食事量は、活動量と体つきに合わせて調整する必要があります。一日の食事量を考えるときには、練習であげたごほうびも含めると把握しやすくなります。成長中の犬に合うフードと量は、獣医師に相談できます。

犬用ベッドの脇で床に頭を載せて休むエントレブッハー・ゼネンフント。
犬用ベッドの脇で床に頭を載せて休むエントレブッハー・ゼネンフント。

歴史と外見

名前は、スイスのルツェルン州とベルン州の地域にある谷に由来します。農場では、牛を動かし、敷地を守る犬として働いていました。エントリブッハーフントという名前は、1889年から記録に残っています。アッペンツェラーと長く明確に区別されていませんでしたが、1913年にランゲンタールの展覧会で4頭が紹介された後、スイスの血統台帳に独立した牧畜犬種として登録されました。犬種クラブは1926年、最初の基準は1927年に成立しています。

各国の犬の登録団体が加盟する国際畜犬連盟、FCIの第47番の基準では、小柄で胴がやや長い犬とされています。雄の体高は44〜50cm、雌は42〜48cmで、上限は雄52cm、雌50cmまで許容されています。体高は犬が立った状態で、地面から肩の上の最も高い部分までを測ります。黒い毛に黄褐色と白の模様が入り、尾は長いものと生まれつき短いものがあります。

スイスの4つの牧畜犬種には、ほかにアッペンツェラー、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、グレーター・スイス・マウンテン・ドッグがいます。働く犬としての背景は共通していても、大きさと体つきは大きく異なります。エントレブッハーは、バーニーズを小さくしたタイプではなく、独立した犬種です。

健康

子犬を選ぶ前には、両親の健康記録を見せてもらうことを勧めます。ロイヤル・ケネル・クラブは、股関節の検査と、遺伝情報を調べるprcd-PRAのDNA検査を挙げています。股関節形成不全は、股関節の発育に問題が起こり、関節が緩くなる病気です。痛みや関節炎につながることがあるため、足をかばうことが繰り返される、立ち上がりにくそうにするといった場合は、獣医師に診てもらいましょう。

PRAは進行性網膜萎縮症の英語の略です。目の奥にある網膜が傷み、視力が低下する遺伝性の病気を指します。prcdはその一つで、光を受け取る網膜の細胞が少しずつ失われていきます。この型のDNA検査に問題がなくても、ほかの目の病気まで否定できるわけではありません。北米の犬種団体は定期的な目の診察も勧めており、水晶体という目の中のレンズが濁る白内障と、目の中の圧力が高くなる緑内障も挙げています。目が急に赤くなる、痛そうにする、新しく見えづらそうな様子が出るといった場合は、速やかに獣医師へ連絡してください。

生まれつき尿管に異常がある犬もいます。尿管は、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ管です。出口が正しい位置にない場合、横になっているときや眠っているときにも尿が漏れることがあります。こうした尿漏れがあれば、獣医師に犬を診てもらうことを勧めます。トイレのしつけが伝わっていないと決めつけると、体の異常を見落としかねません。

ロイヤル・ケネル・クラブでは、12年を超える寿命が目安として挙げられています。個々の犬の寿命を予測するものではありません。健康を支えるには、繁殖前の検査記録の確認に加えて、食事量を調整し、歩き方、目、排尿の変化に気づけるよう、日頃から様子を見ておくことが役立ちます。

この品種はあなたの暮らしに合いそう?

こんな場合に合う可能性があります…

  • 活発な犬を望み、毎日の散歩や一緒の活動に時間を取れる。
  • 根気よく練習し、来客時や子どもとの遊びを丁寧に見守れる。
  • 健康記録を確認し、目、動き方、排尿の変化があれば獣医師に相談できる。

こんな場合は合わない可能性があります…

  • スイスの牧畜犬種の中で最も小柄なので、運動や活動も少なくてよいと考えている。
  • 挨拶に飼い主が付き添わなくても、知らない人をすぐ落ち着いて迎える犬を求めている。
  • 犬が定期的に長時間留守番することになり、頼れる世話の体制を用意できない。

ニーズは似ていても、犬はそれぞれ。

大きさ、運動量、お手入れ、トレーニングの特徴が共通する犬種を選んでいます。

スイスの牧畜犬・番犬

アッペンツェラー・ゼネンフント

中型12~14年

3色の毛と、くるりと巻いた尾が特徴のアッペンツェラー・ゼネンフント。明るい表情が印象的ですが、家畜を動かし、農場を守ってきたスイスの働く犬でもあります。活動することが好きで、学びが早く、周囲の変化にもよく気づきます。毎日一緒に外へ出かけ、来客や家の中の出来事に落ち着いて対応できるよう、根気よく教えたい人に向いています。

ハウンド

バセンジー

中型12年より長い

バセンジーはめったに吠えませんが、ヨーデルのような声を出すことがあります。屋外では、においや動く動物を追ってすばやく走り出すことがあるため、リードを外して走らせるには安全な囲いが必要です。

傷ついた野生動物の足取りを追う猟犬

バヴァリアン・マウンテン・セントハウンド

中型10年より長い

バヴァリアン・マウンテン・セントハウンドは、傷を負った野生動物を探す仕事を専門とする猟犬です。短く密な被毛と濃い色の耳を持ち、集中して足取りを追いながら、一緒に働く人と深く結びつきます。迎える前には、どのように育て、将来どんな仕事に取り組むのか、経験豊かな指導者や犬種クラブと相談しておきたい犬です。

出典と写真クレジット

  1. Teaching your dog to be left alone

    このプロフィールでの参照箇所: 留守番について

  2. Ectopic Ureter

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  3. Canine hip dysplasia (CHD)

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  4. Entlebuch Cattle Dog, FCI Standard No. 47

    このプロフィールでの参照箇所: 大きさ / 体重, 気質, 毎日のお世話, 歴史と外見, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  5. Eye Health

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  6. Health and Genetics

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし, 健康, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  7. Entlebucher Mountain Dog (Imp)

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話, 健康, 寿命

  8. Entlebucher Sennenhund

    このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 歴史と外見, この品種はあなたの暮らしに合いそう?

  9. Dental disease in dogs

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  10. Glaucoma in dogs

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

  11. Grooming and bathing pets

    このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話

  12. Separation-related behaviour

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

  13. Training your dog

    このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし

  14. Progressive Retinal Atrophy, Progressive Rod-Cone Degeneration (PRA-prcd)

    このプロフィールでの参照箇所: 健康

写真の出典

正面 · File:Kira von S Entlebucher Sennenhund.jpg · DarmstadtKoeln · CC BY-SA 2.0 · 編集済み

子犬 · File:Entlebucher Puppy on lawn.jpg · Ziegelhausen · CC BY-SA 3.0 · 編集済み

毛並みと特徴 · File:Entlebucher Sennenhund portrait.jpg · John · CC BY-SA 2.0 · 編集済み

日常の様子 · File:Entlebucher Mountain Dog - GCH Larry Of Brunswick aka Larry 1 (16602413595).jpg · Pets Adviser · CC BY 2.0 · 編集済み