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馬 · 飼育ガイド

高齢の馬のケア:食事、運動、毎日の暮らしを見直す

高齢の馬は、お気に入りの休み場所までの道を、厩舎で働く誰よりもよく覚えているかもしれません。慣れた生活や仲間との関係を大切にしつつ、食事や運動、手入れに以前より時間がかかるなら、やり方を少し変えると助けになります。干し草などの餌を食べやすい場所に置く、騎乗の始めにゆっくり体を動かす時間を長めに取る、体の手入れにこれまでより手をかける、といった方法があります。

長く活発に過ごす馬もいれば、早い時期から負担を軽くする必要がある馬もいます。食べ方や動き方、群れの中で無理なく過ごせているかを日々見ていると、変化に気づきやすくなります。

牧草地で一緒に立つ、明るい毛色の馬3頭
観察
食べ方、体重、動き方の変化を具体的に記録しましょう。
調整
餌の形状、運動の負荷、厩舎内の通り道を馬の状態に合わせて調整できます。
仲間
騎乗をやめた後も、慣れ親しんだ馬との関係は大切です。

日常生活がつらくなる前に変化に気づく

同じ点を定期的に見ると、少しずつ進む変化に気づきやすくなります。体の状態、特にやせ具合や肉づき、動き方、被毛、群れでの過ごし方を確認しましょう。似た条件で撮った写真も、日々の観察を補う手がかりになります。短いメモでも、例えば「最近、噛みかけの干し草を口から落とす」「厩舎の敷地内で方向を変えるとき、以前より歩数が増えた」と具体的に書くと役立ちます。

こうした記録は、「年を取ったから」と伝えるよりも、獣医師と状態を話し合う助けになります。新たな跛行(足をかばうような歩き方)、大きな体重の変化、目立つ行動の変化があれば、診察を受けてください。定期的な健康診断でも、徐々に現れた気がかりを相談できます。複数の人が世話をする場合は、観察したことを同じ場所に記録すると、それぞれが見た変化を共有できます。

噛みにくくなった馬が食べやすいようにする

歯に問題があると、餌を十分に噛み砕けなくなることがあります。噛み方の変化や体重減少のほか、噛みかけの餌が塊になって口から落ちる「食塊」も手がかりです。歯の専門的な検査は、その馬の状態に合った間隔で受けるとよいでしょう。食べ続けていても、口の中に痛みや不快感がないとは限りません。

干し草のように茎の長い餌を十分に噛めなくなったら、獣医師と馬の栄養に詳しい専門家に相談し、代わりの餌を考えましょう。繊維質の多い飼料のうち、水でふやかしてから与える適切な製品を選ぶ方法もあります。作り方と量は、製品と馬の両方に合わせる必要があります。使う飼料、ふやかす前に量る重さ、加える水の量、用意した餌をいつ与えるかを文書にしておきましょう。普段の世話でも、留守中に別の人が世話をするときでも、清潔な容器を使い、決めた方法で用意できるようにしておくことが大切です。

無理なく体を動かし続ける

高齢の馬にも、その馬に合った定期的な運動が役立つことがあります。騎乗、散歩、自由に動ける時間のどれを中心にするかは、健康状態と体力に合わせて考えましょう。痛みや不調がある場合は、獣医師に適切な運動を相談できます。時間や強さを調整しながら、慣れた活動を一緒に続けられる場合もあります。

運動した翌日の動きも見てみましょう。いつもより体がこわばっているか、普段どおりに動いているかが、運動の計画を見直す手がかりになります。背中の形や筋肉の状態が変わったら、馬具が合っているかも改めて確認が必要です。蹄の手入れで脚を持ち上げるときは、短い時間に区切り、馬が楽に保てる低めの位置にすると助けになることがあります。蹄の手入れを担当する人には、馬がどの動きを難しく感じるか伝えておくと、作業の準備に役立ちます。普段の手入れにも、少し余裕を持って時間を取るとよいでしょう。

餌と水、休む場所へ行きやすくする

活発な群れの中では、動きが遅くなった馬が餌場から追いやられる回数が増えることがあります。実際に十分な時間をかけて食べられているか、水と乾いた休み場所を使えているかを見ておきましょう。餌場を複数設けること、通り道を十分に広くすること、相性のよい群れにすることが役立ちます。慣れた仲間との接触を保ちながら、静かに食べられる場所が必要な場合もあります。

深いぬかるみ、狭い場所での方向転換、高い段差は、高齢の馬には次第に負担になることがあります。休む場所から水場まで馬が歩く様子を見ると、改善できる箇所が見えてきます。視力や聴力が低下している場合は、いつもと同じ生活の流れが助けになることがあります。人が近づくときも、馬が気づきやすいようにしましょう。見え方や聞こえ方に目立つ変化があれば、原因を調べるために獣医師の診察を受けてください。

治療と今後の判断を支える

高齢の馬で起こりやすくなる病気の一つにPPIDがあります。PPIDは英語のPituitary Pars Intermedia Dysfunctionの略で、脳下垂体の一部である中間部の機能障害を指します。脳下垂体は複数のホルモンを作る器官で、PPIDではその産生のバランスが崩れます。診断には獣医師の診察が必要です。年齢や見た目の特徴一つだけでは判断できません。治療が必要になったら、薬の種類、与え方、今後の検査予定を世話に関わる全員が分かるようにしておきましょう。

今後のケアを考えるときは、馬の生活の質についても話し合いましょう。喜んで食べているか、楽に休めているか、強い苦痛なく動けているか、慣れた仲間に近づこうとするか。こうした日々の様子を記録しておくと、時間とともに何が変わったかを馬の実際の暮らしに即して話し合えます。適切なケアを続けても苦痛を十分に和らげられなくなった場合は、早めに獣医師と率直に相談してください。担当する人と連絡方法を前もって決めておくと、難しい状況でも対応しやすくなります。

よくある質問

馬は何歳から高齢と考えればよいですか?

馬の老い方はそれぞれです。一律の年齢で決めるより、体の状態、これまでの健康状態、最近の変化を見てケアを考えるほうが役立ちます。

高齢の馬にはもう乗らないほうがよいですか?

健康状態や体力、騎乗する人と馬の組み合わせによって異なります。判断に迷う場合は、専門家に状態を見てもらうとよいでしょう。騎乗をやめた後も、適度に体を動かすことと仲間とのつながりは大切です。

出典・写真クレジット

写真の出典

写真: 3 horses on pasture · Barbarossa · CC BY 2.5. 画像を縮小してWebP形式に変換しました。写っている内容は変わっていません。

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