短毛の猫 · ヨーロッパ
ヨーロピアンショートヘア
ヨーロピアンショートヘアは、ヨーロッパの家庭で暮らしてきた猫の自然な姿を受け継ぐ、公認の猫種です。短い被毛と均整の取れた体つきには、どこか見慣れた印象があります。毎日楽しめる遊び、安心して休める場所、その猫らしい習慣に気づいてくれる人が、充実した暮らしを支えます。
基本情報
- 大きさ
- 中型
- 運動量
- ほどほど
- お手入れのニーズ
- 少なめ
- 遊びと刺激
- 猫のペースで遊ぶ
- 飼育経験
- 準備をして初めて猫を飼う
親しみのある姿と、探索好きな一面
ヨーロピアンショートヘアには、ヨーロッパの身近な飼い猫を思わせる姿が残っています。身軽な体で家の中を歩き回り、周囲に興味を向ける猫です。国際的な猫の登録団体FIFeは、遊び好きで適応力があり、落ち着きも備えていると紹介しています。居間に置いた新しい段ボール箱や、かさかさ音のするおもちゃが、お気に入りの見晴らし台と同じくらい気になることもあります。
ただし、猫種名には少し注意が必要です。ヨーロピアンショートヘアは、独自の繁殖基準を持つ公認の猫種を指します。見た目が似ているからといって、一般の短毛の飼い猫がこの猫種に当たるわけではありません。猫を迎えるときは、まず目の前の猫を知ることが役立ちます。来客にどう接するか、人と遊ぶのが好きか、ほかの動物と暮らしたことがあるか。はっきりしない猫種名より、そうした経験や様子のほうが、一緒に暮らすイメージにつながります。

家の中にも、探索を楽しめる場所を
毎日、探索したり、爪をといだり、遊んだりできる環境を用意したい猫です。猫じゃらしは、小さな獲物の動きをまねて使えます。先端のおもちゃを角の向こうに隠し、また見せると、猫がじっと見て、そっと近づく時間をつくれます。ときには捕まえて押さえられるようにするとよいでしょう。好みが分かってきたら、ボールや、フードを取り出す簡単な知育玩具も遊びに加えられます。
高い寝床や隠れ場所は、できれば複数の方向から出入りできる配置にします。たとえば廊下で別の猫が休んでいても、ほかの道を使って移動できます。人やほかの動物のそばを無理に通らずに済むと、猫が自分で過ごす場所を選びやすくなります。多頭飼育では、食事場所を分け、トイレも複数用意すると役立ちます。水もフードのすぐ隣だけに置くのではなく、飲みに行きやすい場所に用意しましょう。
屋外に出すかどうかは、周囲の環境と、それまでの猫の暮らし方を踏まえて考える必要があります。交通量の多い道路の近くと、囲われた庭とでは危険が異なります。外で過ごす時間が長かった猫を迎える場合は、新しい生活に慣れるまで丁寧な支えが必要です。室内で暮らすなら、十分な遊びと、実際に上り下りできる場所を設けましょう。室内猫の遊び方を紹介するガイドには、いろいろな遊びを日々の生活に取り入れるヒントがあります。
遊びやフード探し、静かに過ごせる場所の作り方は、こちらをお読みください 室内飼いの猫を楽しませる:遊び、フードパズル、安全な隠れ場所 ↗

短い被毛のお手入れと、小さな変化の見つけ方
短い被毛は密に生え、つやがあります。多くの猫では、週に一度ほど短くブラッシングして、抜けた毛を取り除くところから始められます。毛が抜け替わる時期は、回数を増やすとよい場合もあります。その際には皮膚も見て、急に毛づくろいしなくなった場所がないか、いつもよりしきりになめていないかにも気づけると役立ちます。
触られることに少しずつ慣れてもらうと、お手入れがしやすくなります。落ち着いてブラシをかけたあとに、小さなごほうびを用意する方法もあります。きれいだった毛がつやを失ったり、絡まったりしたら、何が変わったかを考えてみましょう。痛みや動きにくさ、ほかの病気のために、毛づくろいしづらくなっていることがあります。こうした変化は動物病院に相談したいサインです。
被毛の長さにかかわらず、定期的に体重を量ることも役立ちます。フードを使う遊びが増えると、気づかないうちに食べる量まで増えることがあります。おやつも一日の食事量に含めて考えましょう。Fellfolioに体重を記録しておくと、少しずつ増えたり減ったりする変化を追いやすくなり、次の診察でも伝えられます。

身近な猫の姿を守ってきた猫種
この猫種は、ヨーロッパにもともといた短毛猫の自然な姿を守るために育まれてきました。ほかの猫種では珍しい特徴を求める繁殖が進む一方、特に北欧の繁殖家たちは、身近な猫の姿を独立した猫種として残そうとしました。現在のFIFeの基準にも、ほかの猫種との交配で本来の姿を変えてはならないことが明記されています。
基準が示すのは、中型から大型の、しっかりした筋肉と身軽さを備える体です。極端にずんぐりしても、細すぎてもいません。顔は丸みを帯びていますが、幅よりも縦が少し長くなります。縞模様、単色、白い部分のある毛色など、自然に見られる多様な色や模様も、親しみのある外見につながっています。
血統の明らかなヨーロピアンショートヘアを探す場合は、登録や血統書について確認しましょう。一方、保護施設で暮らす一般の飼い猫にも、よい家族になってくれる猫はたくさんいます。その猫に合う暮らしを考えるうえでは、以前どのように飼われていたか、今どんな様子かが大切です。成猫なら、活発な遊びが好きなのか、人のそばで静かに過ごしたいのかといった好みも分かりやすいことがあります。
どの猫にも必要な健康管理
ヨーロピアンショートヘアにも、定期的な健康管理が必要です。ワクチン、寄生虫への対策、健康診断は、暮らし方に合わせて動物病院と相談しながら計画しましょう。完全室内飼育の猫も同じです。
歯の健康には、特に目を向けたいところです。歯肉の炎症や歯の組織が壊れる病気では、猫が食べ続けていても痛みを感じていることがあります。口臭、よだれ、かみ方の変化があれば診てもらいましょう。動物病院では、適した歯のお手入れを教えてもらい、さらに検査が必要かどうかも判断してもらえます。
トイレでの変化も、体調を知る手がかりです。何度も出入りする、いきむ、尿に血が混じる、トイレ以外で排尿するといった様子は、膀胱や尿道の問題で起こることがあります。尿道とは、尿が体の外へ出るときに通る管のことです。原因はいくつかあるため、獣医師に調べてもらう必要があります。何度も排尿しようとするのに、ほとんど、あるいは全く尿が出ない場合は、すぐに受診してください。尿道が詰まると命に関わります。単なるトイレの癖と考えて放置できる症状ではありません。
ヨーロピアンショートヘアはあなたに合う?
こんな場合に合う可能性があります…
- 身軽な短毛の猫と暮らしたく、毎日その猫に合った遊びや刺激を用意できる。
- 部屋の中に高めの寝床、爪とぎ、静かな隠れ場所を設けられる。
- 猫種名だけで決めず、その猫の性格や、これまでの経験を知ってから迎えたい。
迎える前に考えておきたいこと
- 主に一匹で過ごしてくれる猫を望み、毎日遊んだり一緒に過ごしたりする時間があまり取れない。
- 完全室内飼育を考えているが、使いやすい登り場所や爪とぎ、静かな隠れ場所を用意できない。
- 短毛ならほとんど世話がいらないと考えており、毛や体重、体調の変化を定期的に確かめるのが難しい。
ほかの猫種にも会ってみましょう。
大きさ、運動量、お手入れ、遊びのニーズをもとに選んでいます。
弾力のある独特な被毛 · アメリカ
アメリカンワイヤーヘア
アメリカンワイヤーヘアは、筋肉質な体と、弾むような手触りの被毛を持つ猫です。一本一本の毛が縮れたり、曲がったり、先端でかぎ状になったりしています。アメリカで生まれ、アメリカンショートヘアと近い関係にあります。家族の様子を眺めることが好きで、遊びに誘うと夢中になる猫も多くいます。
出典と写真クレジット
- Indoor cats
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし, 健康, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- Tips for grooming longhaired cats
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話
- Cats and play
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし
- Feline Dental Disease
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- Feline Lower Urinary Tract Disease
このプロフィールでの参照箇所: 健康
- European breed profile
このプロフィールでの参照箇所: 気質, 日々の暮らし, 身近な猫の姿を守ってきた猫種, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- European breed standard
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話, 身近な猫の姿を守ってきた猫種
- Introducing your new cat to other cats in your home
このプロフィールでの参照箇所: 日々の暮らし, この品種はあなたの暮らしに合いそう?
- How to keep your cat healthy and happy
このプロフィールでの参照箇所: 毎日のお世話, 健康
写真の出典
横向き · Heikki Siltala · CC BY 3.0
正面 · Heikki Siltala · CC BY-SA 3.0
日常の様子 · Heikki Siltala · CC BY-SA 3.0
毛並みと特徴 · Nickolas Titkov · CC BY-SA 2.0



